体験型アート展覧会 オラファー・ エリアソン展

■ デンマーク生まれのアーティスト、オラファー・エリアソンによる展覧会「In real life」が、テートモダンで開催中。大人も子供も体験しながら楽しめる内容とあって人気を博している。エリアソンが作り出す世界観を体験しに出かけた。

鑑賞者を追いかけるカラフルな影、霧が立ち込める廊下、かざした手の動きによって形を変える光の彫刻…。独特の世界観で来場者を魅了しているこのエキシビションでは、水や霧、光、ガラス、コケ(!)などを用いた体験型インスタレーション、彫刻、写真など40点以上を展示中だ。  まずは、「幾何学」をモチーフにアートワークを生み出し続けているエリアソンの作品模型450点超が並ぶショーケースからスタート。三角形、六角形、楕円などを繰り返してできたユニークな模型がこれでもかというほどに並び、その数に圧倒! 見ているうちに宇宙空間のようにも、サボテンのようにも見え幾何学の面白さを実感した。

写真左:霧が立ち込める39メートルの通路「Din blinde passager (Your blind passenger) 」(2010)。前の人から1.5メートル離れるとその影さえも見えなくなり、ちょっと不安な気持ちに…/同右:幾何学模様の光が壁に映し出される作品「In real life」(2019)。

幾何学の世界を抜けると、コケが壁一面を覆う「Moss Wall」(1994)、波の動きを観察する「Wavemachines」(1995)などが続き、その後、体験型インスタレーションが登場する。中でも人気は、「Your uncertain shadow(colour)」(2010)=写真上。白い壁にカラフルな光の影が映し出される作品で、来場者らは光の前に立ち、踊ったりジャンプしたりと思い思いのポーズをとって楽しんでいた。筆者が心を奪われたのは、「Big Bang Fountain」(2014)。暗闇の中に定期的に光がともされ、水の彫刻(噴水)が中心に浮かび上がるというもの。光るたびに水が形を変える様子は、美しく神秘的!
また環境問題に関心の高いエリアソンの取り組みも紹介され、自然環境について考えるいい機会にも。
作品は展示室以外にも設置されている。テートモダンの中心にあるターバイン・ホールには、白いレゴ・ブロックで未来都市を設計する参加型アートワークがあり、ブロックを自由に使って建物を組み立てることができる(参加無料)。家族や友達と一緒にお楽しみを!(文/西村千秋)

Olafur Eliasson: In real life

Tate Modern
Bankside, London SE1 9TG
2020年1月5日まで
大人:18ポンド、子供(12~18歳):5ポンド
www.tate.org.uk/visit/tate-modern

週刊ジャーニー No.1098(2019年8月8日)掲載