テムズ河を彩る光りのアート Illuminated River

Pastel de Nata
完成予想図。 © Illuminated River, Leo Villareal Studio, 2018
■ ロンドンでは今、テムズ河にかかる橋を光のアートで彩るプロジェクト「Illuminated River」が進行中。その第1弾として17日、4つの橋にアートワークが登場! テムズ河をカラフルに照らした。

国際都市ロンドンの歴史において重要な役割を果たし、街のシンボルとも呼べるテムズ河。今回のプロジェクトは、ロンドンを東西に横切るテムズ河にかかる橋のうち、東はタワー・ブリッジから西はアルバート・ブリッジにいたる15の橋を、環境にやさしい光のアートで彩る内容だ。
この第1弾としてお目見えしたのは、ロンドン・ブリッジ、キャノン・ストリート・レイルウェイ・ブリッジ、サザーク・ブリッジ、ミレニアム・ブリッジの4ヵ所。米国人アーティストのレオ・ビラリアル氏とロンドンの建築事務所リフシュッツ・デビッドソン・サンディランズが共同で制作した。
デザイン・コンペを勝ち抜いたビラリアル氏曰く「テムズ河、ロンドンの歴史について学び、この河を描いたモネやターナーといった画家らの作品からもインスピレーションを得た」のだそう。

シティのモダンなビル群を背景に光るロンドン・ブリッジ。

早速、日が落ちた頃を見計らいロンドン・ブリッジから川沿いを西に向かって歩いてみると、橋を彩る落ち着いた雰囲気のライトアップが目に入ってきた。よく見てみるとピンクや紫色のグラデーションがじわじわと変化しているのを発見。繊細に移り変わる様子は、水面のわずかな動きを反映しているかのよう。想像よりも控え目な印象だけど、これが派手に光ってしまうとロンドンらしさが損なわれるのかもしれないと思えば、地味さも納得!?
設置にあたっては、単にテムズ河を彩るだけでなく、これまで使われていた照明よりも電力を抑える工夫や、午前2時には消灯するなどして環境に配慮。もちろん周辺の生態系を壊さないための対策も。
今後は、2020年秋にさらに5つ(ブラックフライヤーズ・ブリッジ、ウォータールー・ブリッジ、ゴールデン・ジュビリー・フットブリッジズ、ウェストミンスター・ブリッジ、ランベス・ブリッジ)が加わり、残り6つの橋には2021年にライトがともされる予定。完成すれば、世界最長のパブリック・アートになるのだそう。
上空から全体を見れば=写真上=もっとこの景色を楽しめるかも!? 次に夜の飛行機に乗ってロンドンの空を飛ぶときには、光るアートを窓から確認してみよう! (文/西村千秋)

週刊ジャーニー No.1096(2019年7月25日)掲載