さらりとエレガント トワル・ド・ジュイ Toile de Jouy

■ この夏、太陽の日差しに映える爽やかな フランス生まれのプリントが、幾度目かのブームにのり、ファッション界を席巻している。

春夏になると自然と多く登場し、ガーリーな雰囲気が気分を明るくさせてくれるフローラル・プリントだが、今年はそんなフローラルと共に、絵画調のプリント「トワル・ド・ジュイ」の人気が再熱している。 トワル・ド・ジュイとは、フランス語で「ジュイの布」という意味で、ドイツ出身のプリント技師が、18世紀にフランスのジュイ=アン=ジョザスで産み出したプリント生地のこと。以降ファッションに、インテリアにと、その優雅さで時代を越えて人々を魅了してきた。 基本的には綿や麻の白い布地に単色の青や赤で濃淡をつけ、田園風景などが描かれている。東洋との貿易を確立した東インド会社がもたらすインド更紗や、当時大ブームとなった中国趣味の美術様式「シノワズリ」の影響を大いに受けており、白磁に藍色で風景などが描かれた中国の陶磁器を思わせる。英国では単に「トワル」とだけ称することも多い。

幾度となく繰り返し流行してきたトワル。これまでは主にドレスの柄として取り入れられてきたが、今年はドレスにとどまらず、スーツやパンツ、バッグから靴といったアクセサリーまでバラエティ豊か。ベテラン女優のグレン・クローズは、上下トワル柄のディオールのパンツ・スーツで今年の米AARPマガジン主催の映画祭に登場し、大胆な着こなしと称賛を浴びた。女優のようにパンツ・ツーツで着飾る自信がなくとも、ゆったりとしたデザインのシャツや定番のサマードレス、又は帽子やバッグなどの小物なら気軽に取り入れることができそう。 地球温暖化の影響もあってか、年々暑さを増す英国の夏、今年はトワル・プリントでさらりと涼しげに過ごしてみては? (文/ネイサン弘子)

週刊ジャーニー No.1089(2019年6月6日)掲載