マンガ展、大英博物館で開催中! 日本国外で最大級

manga
3月に閉店した東京・神保町の老舗マンガ専門書店の店内写真を公開。
■ 世界から愛される日本発の文化、マンガ(Manga)。日本国外では最大規模の展示となるマンガ展がついに大英博物館で始まった。開催前から日本でも話題となっており期待が高まる中、早速足を運んでみた。

英国を代表する物語「不思議の国のアリス」で、文字だらけの本を見たアリスが言い放った一言が会場の入り口に掲げられていた。「絵や会話のない本なんて何の役にも立たないわ!」。もしアリスが絵も会話もあるマンガを見たら、大喜びするに違いない。
「マンガとは何か」に迫る本展では、アリスがウサギを追いかけ不思議の国へと迷い込んだように、最古のマンガ「鳥獣戯画」をモチーフにしたウサギが来場者をマンガの世界へといざなう仕掛け。一歩足を踏み入れた瞬間から魅了されること間違いなしだ。

manga
赤塚不二夫の「ウナギイヌの最期」の原画。ウナギイヌがおまわりさんに笑い殺される…。

葛飾北斎や歌川広重と現代マンガの関係性を探る展示、編集者のインタビュー映像、コスプレやコミケ文化の紹介など、多面的に掘り下げた展示のなかでも、名作マンガの原画は見もの。手塚治虫、赤塚不二夫、萩尾望都といったレジェンドの作品から、「ドラゴンボール」「ONE PIECE」などの人気作品、「進撃の巨人」「ちはやふる」「きのう何食べた?」などの話題作まで、数々の原画を間近で見ることができる。キュレーターのニコル・クーリッジ・ルマニエール氏の「制作の過程がアナログからデジタルへと変わりつつある今、大量のアナログ原画を見ることができるのはこれで最後だろう」との言葉に、今回の展示がいかに貴重なものかがうかがえる。

manga
暁斎の気迫が伝わってくる「新富座妖怪引幕」。目を凝らせば彼の足跡も確認できる=写真中央。

本展のハイライトは、河鍋暁斎作「新富座妖怪引幕」。全長17メートル、高さ4メートルの巨大な幕に、歌舞伎役者をモデルとした妖怪たちがダイナミックに描かれたこの作品は、酒を飲んだ暁斎がわずか4時間で完成させた代物。暁斎はマンガ家ではないものの、ニコル氏曰く、「自由で力強い筆の運びで妖怪の精神が生き生きと表現される様子は、絵でストーリーを伝えるマンガと通ずるものがある」。
このほか「スラムダンク」の井上雄彦が今回のために書き下ろしたイラストと、その制作過程映像もあるので要チェック。最後は、マンガの1コマに入って写真撮影ができるコーナーで自分のマンガを作ってみるのもお忘れなく!
「マンガばっかり読んでないで勉強しなさい!」と叱られた経験のあるそこのあなた、文化遺産の殿堂、大英博物館による本展は、学ぶことが多くお勉強もできるエキシビションなので、胸を張って「マンガばっかり」の世界へ浸りに行けるぞ! (文/高柳直子)

manga
各国の言語に翻訳されたマンガが本棚に並び、手にとって読むことができるコーナーも。

Manga

The British Museum

Great Russell St, Bloomsbury, London WC1B 3DG
2019年5月23日~8月26日
大人19.50ポンド、16歳以下無料
www.britishmuseum.org

週刊ジャーニー No.1088(2019年5月30日)掲載