ウェルカム・コレクションの企画展、マジック心理学 Smoke and Mirrors: The Psychology of Magic

■ 霊媒、奇術、手品、超常現象…。それらを目にするとき、人々の心や脳では何が起こっているのか!? マジックと心理学との関連性を紹介するエキシビション「Smoke and Mirrors: The Psychology of Magic」が人気を集めていると聞き、その世界を探るべく出かけてきた。

古典的マジックで頻繁に使われる「煙」と「鏡」にちなみ、「ごまかし」の意味でも用いられる慣用句「Smoke and Mirrors」。その名を掲げる今回のエキシビションでは、「The Medium(霊媒)」「Misdirection(注意をそらすこと)」「Mentalism(心をコントロールするメンタリズム)」の3つに分けて、マジックの謎に迫る。
まずは「The Medium」から。感染症の蔓延や戦争によって多くの命が失われた19世紀後半から20世紀初頭の英国では、死者とつながるための交霊会が各地で催されたという。交信に使われた器具が展示される一方、インチキ霊媒師らも多かったと見られ、彼らを調査する団体の取り組みも紹介される。ニセの超常現象を暴く映像はコメディのようで面白い。

マジックと心理学
死者とコミュニケーションを図るために使われたカメラ。写真にはうっすらと謎の物体が写りこんでいる
マジックと心理学
超常現象の謎を暴いた写真。

続く「Misdirection」では、エンターテインメントとしてのマジックを取り上げ、人がなぜ騙されるかを解説する。注意をそらす方法や、記憶のからくりを利用して人を欺く方法が写真、映像を通して説明される。最後の「Mentalism」では、人々を虜にするライブショーの模様や超常現象を紹介する。会場内にはマジシャン養成学校のポスターや英メンタリスト、ダレン・ブラウンの使った小道具などが展示されるほか、英コメディアン、トミー・クーパーのコメディマジック映像もあり。
全体を通して感じたことは、トリックを知っていたとしても状況によっては簡単に物事を鵜呑みにしてしまうという事実。お楽しみの手品であればいいが、日々の生活で触れる可能性のあるフェイク・ニュースなど、気づかないうちに発信者の『トリック』にはまりかねない…なんて考えすぎ!?
火・木・土曜には手品師や心理学者によるライブ・パフォーマンスが披露されるので、予め開始時間を確認してお出かけを! (文/西村千秋)

Smoke and Mirrors: The Psychology of Magic

Wellcome Collection 183 Euston Road, London NW1 2BE
火~日:午前10時~午後6時まで(木曜は午後9時まで)
9月15日まで、入場無料

■ 手品師や心理学者によるパフォーマンスもあり…火曜:午後1時30分、午後2時30分/木曜:午後6時30分、午後7時30分/土曜:午前11時30分、昼12時30分
https://wellcomecollection.org

週刊ジャーニー No.1082(2019年4月18日)掲載