サーチ・ギャラリーに設置中、体験型万華鏡「Kaleidoscope」

現代芸術家の作品を中心に取り扱い、若手アーティストの作品展示にも積極的なサーチ・ギャラリーで3月15日、「Kaleidoscope」(千変万化するもの、万華鏡の意味)と題するエキシビションがスタート。人間が入ることができる万華鏡があると聞き、早速、足を運んだ。

筒を覗き込むと対称性の美しい模様が視界いっぱいに広がる万華鏡。揺すってみるとその形は次々に変化し、見るものを魅了する。
日本の工芸品店で見かけることも多い万華鏡だが、誕生は19世紀のスコットランド。科学者デイヴィッド・ブリュースターが実験の過程で発見し、1817年に特許を申請した。日本にはその3年後に伝わったとされ、「百色眼鏡」「万華鏡」と呼ばれて人気を博したのだそう。
サーチ・ギャラリーで始まったエキシビションでは、「Kaleidoscope」をテーマに国内外の芸術家9人による絵画、立体作品が展示されている。その中で最も注目を集めているのが、鑑賞者をすっぽり飲み込む大きさのインスタレーション「Fata Morgana」。アイルランド出身でロンドンを拠点に活動するローラ・バックリーさんが手がけた。

靴を脱ぎ、六角柱の筒の中へと歩を進めていくと、正面に丸や線など色・形の異なるパターンが映し出され、それらが鏡に反射して模様が作られていく。だが、外から覗いた万華鏡の世界と、中からの眺めは印象が異なる。筒の中で目を引くのは模様よりも鏡に映る自分。心を無にして背景に流れる幻想的なサウンドに耳を傾けるうちに、自分の意思ではコントロールできない精神世界に足を踏み入れたような感覚に襲われる。足元や頭上に映る自分とその背後に広がる空間をじっと見つめると、普段は見えない何かが現れそう…。
作品の中に入ったら、外から写真を撮ってもらうのをお忘れなく。思いつく限り色々なポーズをしてみると、写真を通して自分が作り出した模様が楽しめるはず。5月5日まで。 (文/西村千秋)

Kaleidoscope
Saatchi Gallery, Duke of York's HQ, King's Road, London SW3 4RY
5月5日まで
エキシビション鑑賞は無料だが、作品の中に入る場合は、ギャラリー入り口で「Exhibitions Guide」(2ポンド)を購入する必要あり
www.saatchigallery.com/artists/kaleidoscope

週刊ジャーニー No.1078(2019年3月21日)掲載