STOP 使い捨てファッション!課税に向けた動きも

流行ファッションをいち早く大量生産し、低価格かつ短いサイクルで販売する「ファスト・ファッション(fast fashion)」。大量消費がもたらす環境破壊が叫ばれるようになって久しいものの問題は山積しており、打開策を模索する動きが活発になっている。

2月15日から5日間にわたって開催されたロンドン・ファッション・ウィーク。話題となったのはデザイナーらが発表する新しいスタイルばかりではない。イベントに合わせて、英国会議員からなる環境保全のための組織「Environmental Audit Committee」(EAC)は、生産される服1着に対して1ペンスの税金をファッション・ブランドに課すという制度を提案。入れ替わりの早いトレンドに合わせて次から次に大量に生産されるファッション界のあり方は、自然環境の破壊、劣悪な労働環境の助長を促すとして大きな問題となっている。英国では、1年間に購入される衣類の量は1人あたり26.7キロとされ、この数はヨーロッパ内でトップなのだそう。議員らは「新しい服を着て写真に撮ってインスタに投稿し、数回身に着けただけでゴミ箱へ」といった風潮を背景に、過剰消費とそれによる「使い捨てファッション」に歯止めをかける意気込みだ。
一部の企業では、不要な衣類の引き取りやリサイクル素材を使った商品製造などの活動をすでに実施中。たとえばバッグ・ブランド「Mulberry」と共同で高級バッグを製造・販売する「Bottletop」では、瓶の蓋をはじめとするリサイクル素材のみを使用して全商品を製造。「Adidas」でも、2024年までに未使用プラスチックの使用を取りやめる方針。また、「Marks & Spencer」では「Plan A Shwopping」と名づけたプログラムを2008年から実施しており、不要となった衣類を持ち込むことで、ポイントやバウチャーなどを得ることが可能。ただこうした活動は広い業界のほんの一部。EACは、「税収をもとに効率よいリサイクル活動を促す」という。
一方、消費者に目を向けると、若い世代に支持されているのがフリマアプリ「Depop」。ロンドンを拠点とする同社では、「eBay」のような中古品売買方法と「インスタ」の投稿スタイルを掛け合わせたようなアプリを使い、利用者同士で古着売買を行う。ユーザーらが交流できるソーシャル機能も兼ね備えており、利用者の8割が25歳以下なのだそう。
ほかにも「新しい服を1年間買わない」という運動に取り組む人も見られる。服を安価に買える今、ついつい色んな服に目移りしがちだが、筆者も大切なものを長く着ることを改めて誓った。 (写真・文/西村千秋)

英国で1年間に購入される服の量は1人あたり26.7kg。ドイツ(16.7kg)、イタリア(14.5kg)に比べてはるかに多く、ヨーロッパ内でトップ。

1年間にゴミ処理場に送られる服の量。洗っても落ちない染みのある服や着古したものでもリサイクルできることもあるので、街角の服用リサイクルボックスに入れることが推奨されている。

週刊ジャーニー No.1075(2019年2月28日)掲載