ダークなミニ・ディズニーランド出現!?「FANTASIA」の世界へ

■ オーケストラの音楽に合わせてほぼ全編セリフなしでダンスや冒険を繰り広げる異色のディズニー・アニメ映画「ファンタジア」。1940年公開のこの名作から着想を得た、体感型の音楽ショーが開催中だ。その世界観とは?
ウォータールー駅の線路下を通る「グラフィティ・トンネル」。近年注目を集めるこのトンネルに入り、一面にぎっしりと描かれたグラフィティに目をチカチカさせながら、途中にある『ディズニーらしさ』をまったく感じさせない会場に到着。受付でヘッドフォンとプレイヤーを渡され、円形のソファが並んだ部屋に通される。ソファに仰向けになり待機していると、部屋が暗くなり突然ヘッドフォンから劇中で使われた壮大な音楽が流れはじめた。見上げた天井の円形スクリーンには、様々な楽器が回転しながら次々と曼荼羅のような模様を形成しては消え、視覚と聴覚で見る者を幻想世界へ誘う。
続く秘密結社の礼拝堂のような不気味な部屋に通されると、正面から魔法使いと3人の小間使いが登場。音楽に合わせ、演者達が繰り広げているのは「ファンタジア」の中で魔法使いの弟子となったミッキーが、魔法の本をこっそりといたずらして様々なものを思いの通りに操る場面だ。ミッキーではなく小間使いたちがコンテンポラリー・バレエのような動きをしながら魔法をかけあい、水しぶきをあげながら一心不乱に掃除をするさまに観客が沸く。
全6部屋のうち最初の2部屋を見終えた後は、自由に各部屋を見学できる。部屋ごとに終始音楽が切り変わり、各部屋の中はさらにテーマ別のエリアに分かれている。凍った池に見立てた冬の部屋、真っ赤なマグマが燃えたぎる火山、巨大植物の森などは、ディズニーランドを彷彿とさせるが、そのどれもが幻覚のようで怪しげ。バー・エリアのステージではコミカルなバレエとサーカスのパフォーマンスが始まり、観客は飲み物を楽しみながら鑑賞することが可能だ。
最後広々とした部屋にはスクリーンが設けられている。土の中から生まれ出た人間たちがクネクネとした前衛的な踊りを繰り広げる様子が映し出されたかと思うと、その背後にもだえ苦しんでいるような怪物が現れ……。子供なら怖がって泣き出してしまうかも!? 上映が終了するとスクリーンは持ち上がり、観客は先の森へと誘われ、最後まで幻想的な気分で会場をあとにした。
明るいディズニーの『夢の国』の向こう側にある、暗く冷んやりとした線路下の『夢の国』に出かけてみては? (写真・文/ネイサン弘子)

Sounds and Sorcery Celebrating Disney Fantasia
The Vaults, Leake Street, SE1 7NN
2018年9月30日まで
チケット:一般33ポンド~
4~12歳未満 23.50ポンド~
※推奨年齢8歳+
www.soundsandsorcery.com

「グラフィティ・トンネル」として知られるLeake Streetにある会場入り口。

最初の部屋でソファに寝そべり、音楽と映像にどっぷり浸って異空間へ。

巨大生物の部屋には、幻想的で怪しい雰囲気が漂う。

映画に登場するカバとフラミンゴのバレエを再現したショー。

週刊ジャーニー No.1045(2018年7月26日)掲載