過去最年少のメキシコ人建築家が設計 サーペンタインパビリオン 2018 Serpentine Pavilion

■ ケンジントン・ガーデンズに位置する現代美術館「サーペンタイン・ギャラリー」に6月15日、夏限定パビリオンが登場した。早速、足を運んだ。
気鋭の建築家がギャラリー前のスペースを利用して期間限定の建築パビリオンを設置する、サーペンタイン・ギャラリーの毎年夏の恒例イベントがいよいよ始まった。18年目を迎えた今年のパビリオンを手がけるのは、メキシコ人建築家のフリーダ・エスコベド氏(Frida Escobedo)。1979年生まれで今年39歳となるエスコベド氏は、2000年に始まった同イベントにおいて最年少かつ、単独女性建築家としては、初回に選ばれた英建築家ザハ・ハディド氏に続く2人目となる。
ギャラリーを背景にして建つパビリオンは、グレーの色合いのせいか落ち着いた雰囲気を醸し出している。格子模様を通して光が漏れるのを除けば何の変哲もない外観だが、歩いて近づいてみると、その壁はコンクリート瓦が規則的に積み上げられて形作られていることがわかる。設計にあたりエスコベド氏は、「高価なものではなくシンプルな素材を使って洗練された形のものを作りたかった」とし、瓦は英国内で作られるものを利用したのだそう。
内部に足を踏み入れてみると、中央部分に鏡張りの天井が設けられ、床の一部には水が張られていることから涼しげな印象を与える。取材に訪れた日は、日差しが強く、ケンジントン・ガーデンズをゆっくりと歩いているだけでもじんわりと汗ばむような気候だったが、中に入ってみると暑さが少し和らぎ気持ちよく過ごすことができた。
「人が集まる場所」を想定して設計された昨年の開放的なパビリオンに比べると、今年は「中庭」をイメージしたデザインとあって、より閉ざされたプライベートな空間と言える。その分、水面や天井の鏡に映し出される景色や、壁を通して射す光の移り変わりをじっくりと感じるのにはいいのかも!?
中にはカフェもあるので、暑くなることが予想される今年の夏、公園散策の合間に涼みに立ち寄ってみてはいかがだろうか。(写真・文/西村千秋)

Serpentine Gallery
Kensington Gardens, W2 3XA
入場無料/パビリオンは10月7日まで
www.serpentinegalleries.org


写真左:パビリオン内部にはカフェが併設され、腰を下ろしてコーヒーなどを飲むことができる。/同右:薄く張られた水によって涼しげな印象を与えてくれる。

週刊ジャーニー No.1040(2018年6月21日)掲載