取り入れれば常夏気分 パイナップル Pineapples

■ 夏が近づくと毎年のように流行するボタニカルなデザインやトロピカルなモチーフ。昨年流行したピンクフラミンゴにとってかわり、今年は黄色と緑の色合いがいかにも明るく夏らしいパイナップルが、ファッションにインテリアに、アルコール飲料業界でもフィーチャーされている。

衣類や雑貨を販売するショップの店頭には、パイナップルをデザインに取り入れた商品が並ぶ=写真はテスコ。
コロンとした黄色い実にジオメトリックな模様、ツンツンと立ち上がった緑色の葉がなんともトロピカルで絵になるパイナップル。
葉の部分を取っ手に、実の部分を入れ物にデザインした商品は、塩・こしょう入れ、ドリンク用のアイスバケツ、カクテル・カップ、小物入れなど種類豊富。パイナップル柄の食器、ドア・マット、ナイト・ライトなどは、冬に見るとミスマッチな雰囲気になってしまいそうだが、夏季のインテリアに取り入れれば、家の中が一層明るくなりそう。パイナップル形のピクニック・グッズ、浮き輪やビーチ・タオルは、夏のアウトドア・シーンが更に盛り上がるだろう。
「Yuzu Gin」「Cucamelon Gin」などの珍しいフルーツ・ジンを製造・販売する「That Boutique-y Gin Company」の新商品「Spit-Roasted Pineapple Gin」は、ブラウン・シュガーで焙煎しカラメル化させたパイナップルとジンの組み合わせ。甘酸っぱいパイナップルとカラメルの芳醇さ、ジンのドライで爽やかな後味がクセになると同社一押し。フルーティでラグジュアリーなウォッカを製造・販売する「Ciroc」の限定商品「Limited Edition Summer Colada」は、ココナッツとパイナップルという2大トロピカル・フルーツを合わせたデザートのようなウォッカ。同社のウェブサイトではお勧めのカクテル・レシピとしてパイナップル・ジュースをミックスした「Colada Remix」が紹介されている。
実は英国人のパイナップル好きは今に始まったことではない。豪奢なマナーハウスや街中の個人宅の門などに設えられた逆さまのパイナップル飾りを目にしたことがある人も多いのではないだろうか。住宅にとどまらず、セント・ポール大聖堂の塔の頂上、はたまたウィンブルドン・テニス選手権の優勝トロフィーのてっぺんにもパイナップルの装飾がほどこされている。その理由はいたって単純。1493年に南米で発見され、後にヨーロッパに紹介されたパイナップルは、17~18世紀に貴族の間で異国情緒溢れる珍重な輸入果物として人気を呼んだ。現在の価値にしてひとつ5000ポンド(!)もしたといい、ディナー・パーティーの飾り用にレンタルすることも可能だったほど。この頃から富や名誉の象徴として、装飾品のデザインに取り入れられるようになったのだ。
現在ではすっかり庶民の手にも届く食べ物になったパイナップル。「インディペンデント」紙によると、2017年の「テスコ」での売り上げは15パーセント上昇。上昇率では近年不動の人気を誇るアボカドを上回った。
『夏らしい夏』がやってくるのか例年のごとく不安なロンドンで、インテリアやファッションにパイナップルを取り入れ、甘酢っぱ~いパイナップル・カクテルを飲みながら、せめて南国気分に浸ってみようか。 (文/ネイサン弘子)

A: 後味がクセになるジン
That Boutique-y Gin Company Spit-Roasted Pineapple Gin/29.95ポンド www.thatboutiqueygincompany.com

B: 夏らしいアイスバケツ
Urban Outfitters Disco Pineapple Ice Bucket/40ポンド www.urbanoutfitters.com

C: ふわふわ&キュート
Zara Pineapple Plimsolls/17.99ポンド www.zara.com

D: 肌身離さず『夏』を携帯
H&M iPhone 6/8 case/5.99ポンド www2.hm.com

E: さりげない爽やかさを演出
Topshop Pineapple Keyring/7.50ポンド www.topshop.com

週刊ジャーニー No.1035(2018年5月17日)掲載