体のために1日1杯 アップル・サイダービネガー Apple Cider Vinegar

■ 古来より体に良いと信じられてきたお酢。世界中にあまたあるお酢の中で、英国でも古くから作られてきた飲みやすくフルーティーな「アップル・サイダー・ビネガー(りんご酢)」に熱い視線が集まっている。
米国では2年ほど前からブームがはじまったというりんご酢。「デイリー・メール」紙(電子版)をはじめとする英各メディアが、50歳前後という年齢が信じ難い若々しさを保つ女優ジェニファー・アニストンや、同じく女優のエリザベス・ハーレイ、美に並々ならぬ執着心を見せているヴィクトリア・ベッカムをはじめとする女優やモデルたちの間で、1日1杯のりんご酢を飲むことが流行中と報じ、ここ英国でも健康食品として改めて注目されはじめている。
エリザベス・ハーレイは自身の若さの秘訣と語るりんご酢を毎朝お湯に混ぜて飲み、ヴィクトリア・ベッカムは毎朝空腹時にテーブル・スプーン2杯分のりんご酢を飲んでいるのだとか。
りんご酢の健康効果として挙げられているのは、炭水化物の吸収と血糖値の急激な上昇を抑え、満腹感が持続するというダイエット効果、抗菌抗炎症効果、高血圧予防、コレステロールコントロール、骨を強くする…など、数え上げたらきりがないほど。ただ、それらの健康効果は多くの研究機関で検証され、その効果が認められるレポートが多数発表されているものの、現段階でりんご酢を定期的に摂取することの健康上のメリットは医学的には認められていない。
しかしながら英国には「An apple a day keeps the doctor away.(1日1個のりんごは医者を遠ざける)」という諺があるとおり、りんごから作られた酢が体にいいと思うのは当然。そして、セレブに人気の食品ながら、スーパーで手頃な価格で購入できることから一般にも人気が広がりやすかったようだ。
一般的なスーパーで最も多く見かけるりんご酢は、イングランド東部サフォークのアスポールで1728年に創業した「アスポール(Aspall)」社のりんご酢だ。同社からは「Classic Cyder」「Organic Cyder」「Raw Organic Apple Cyder」の3種類のりんご酢が販売されているが、中でも気になったのはボトルに「contains the mother」と表示された「Raw Organic Apple Cyder」。アスポール社のウェブサイトによると「the mother」とは、りんご酢の発酵過程に発生する生きた「酵素」のこと。通常酢を濾過、殺菌する過程で死滅してしまうそうだが、濾過、殺菌処理をしていないこの商品にはそれらの酵素が含まれているのだとか。
りんご酢を摂取する上で注意点もあり。飲みすぎは逆効果、酢酸の刺激が喉や食道には強すぎるので必ず薄めて飲むこと、歯のエナメル質にダメージを与えることもあるので、できればストローで飲むか飲んだ後に口をすすぐこと、胃酸を中和する医薬品である制酸剤(胃薬)を服用している人は飲用しないことなど。これらの注意点を守れば、手軽にはじめられる健康習慣になりそう。(文・写真/ネイサン弘子)


■りんご酢の飲み方

【お湯&はちみつ】
各メディアで紹介されていたオススメの飲み方は、コップ1杯のお湯にテーブル・スプーン1杯のりんご酢、はちみつを入れるレシピ。はちみつの甘みとりんご酢の酸味がよく合い飲みやすい。夏場は冷たい水で飲んだらさらに美味しく感じられそう。
【水割り】
アスポール社のボトルに記載されていたのが、300mlの水に15mlのりんご酢を溶かして飲むというもの。この割合ならば、はちみつなしでも飲みやすい。

スーパーマーケットには各種りんご酢が並ぶ。左写真手前は、300年の歴史あるハートフォードシャーの果樹園で作られているWilly'sのりんご酢。写真右は、ヴィクトリア・ベッカムが愛飲しているという米Bragg社のりんご酢(プラネット・オーガニック)。

週刊ジャーニー No.1028(2018年3月29日)掲載