~古代エジプト × 現代アート~ 呪いの世界へようこそ Curses! By Bompas & Parr

■ あなたはどのくらい迷信や怨念を信じていますか? エジプト考古学に関する遺物を展示するピートリー博物館で18日、ユニークなツアーが始まった。早速、足を運んだ。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン構内にあるピートリー博物館。英国におけるエジプト研究の第一人者、フリンダーズ・ピートリーの名を冠し、古代エジプト文明の生活を伝えるおよそ8万8000点の遺物を所蔵する、マニアックな場所だ。
この博物館で現在開催中のツアーを手がけるのは、感覚に訴えるアート作品を発表する英国人ユニット「ボンパス&パー(Bompas & Parr)」。館内にある展示物のうち、さまざまな目的で怨念が込められたものを見学する。ツアーのタイトルは「Curses!」(呪いの意)。何だか不気味…。
まずは入り口でヘッドフォンとフロアマップを受け取り、セルフ・ガイドによるツアーはスタート。地図をたよりに、赤い三角の印がつけられた場所を順番にたどっていく。
他者を罵る不幸のメッセージが描かれた石版、古代の人々が「起こってほしい」と願った事柄をつづったパピルス紙、霊廟で発掘された棺、ボロボロの人形…。それぞれの前でオブジェの紹介をしつつ、歴史的事件の影に潜む「怨念」や、遺跡発掘者らの身に起こった不幸が語られる。
迷信や呪いを信じるタイプではない筆者も、はじめは平常心を保ちながら回っていたが、古くは紀元前5000年頃に作られたリネンや、緩やかなウェーブの髪の毛、奇妙な形をしたオブジェの数々に囲まれていると、何だか落ち着かない…。ここにあるすべての遺物が人の手によって作られたのだと思うと、そこには魂が宿っているのではないか? といった空想が膨らむ。
そしてツアーの最後は、今回特別に設けられた空間で「呪いとはどんなものなのか」を『体験』する。ヘッドフォンから流れてくる指示にしたがい、深く深呼吸。そして最後の扉を開く! さてあなたは何を感じるだろうか。魂のエネルギーを感じに出かけてみる?(文/西村千秋)

写真左上:ツアーは映像で流れる考古学者の話からスタート。
同右:他者を罵るメッセージが込められた石版。まったく読めない…。
同左下:最後に用意されたロンドン在住の呪術師(?)によって作られた空間。神経を研ぎ澄ませて扉を開くと……。

Curses! By Bompas & Parr
Petrie Museum, Malet Place, Bloomsbury
WC1E 6BT(University College London構内)
12月16日まで、チケット:6ポンド
http://bompasandparr.com

週刊ジャーニー No.1011(2017年11月23日)掲載