6/3 欧州で死者18人―大腸菌O104、英国にも上陸

欧州を中心に世界各地で猛威をふるっている腸管出血性大腸菌O(オー)104が、これまでにない新種の様相を呈していることを研究者が発表した。「メトロ」紙などが報じた。
英国では「E.coli」(「イーコーライ」と発音するのが一般的)と呼ばれる大腸菌だが、ドイツと中国の研究者によると、今回の菌は多くの抗生物質に耐性を示す遺伝子をもっているという。
現在、大腸菌O104の患者は世界中で1,600人にものぼっている。
被害の中心地はドイツで、死者は18人。また、ドイツで感染した女性ひとりがスウェーデンで死亡している。
世界保健機構「WHO」によると、ドイツの感染件数はさらに増加しており、欧州内の10ヵ国と米国で感染が報告されている。
英国では、ドイツを訪れた英国人7人が感染しており、そのうちの3人は「溶血性尿毒症症候群(HUS)」という死にいたることのある合併症を併発している。
これは大腸菌O104による有毒物質が血液中に入ると起こるもので、腎臓疾患やひどい場合は中枢神経系に影響を及ぼすという。
アストン大学で微生物学を研究するアンソニー・ヒルトン博士は「普段は子供たちがかかる『HUS』に多数の大人がかかっていることが新種の菌であることを示す。毒性のきわめて強い新種の大腸菌O104の可能性がある」と話す。
英国健康保護局「Health Protection Agency」は、ドイツ、特に北部を訪れる英国人に生のトマト、きゅうり、レタスなどの葉野菜を避けるよう警告している。
ロシアは「欧州連合(EU)」からすべての生野菜を輸入することを禁止し、ポーランドやドイツ政府、「欧州委員会」から抗議を受けている。
リヴァプール獣医大学のポール・ウィグリー博士は「有機生野菜の栽培で肥料に使った堆肥が発生の原因ではないか」と話し、生野菜や果物を食べる前にしっかり水洗いすることを消費者に薦めている。
しかし、ジェームズ・ハットン研究所の二コラ・ホールデン博士は「果物や野菜は栽培時、または加工・包装の過程で菌を内部に取り込んでいる可能性があるので、洗うだけでは不十分かもしれない」と懸念を示している。