5/13 スイスでの安楽死を選ぶ英国人、ますます増加


スイスにある安楽死ほう助クリニック「Dignitus」で死を選ぶ英国人の数がますます増加していることが統計調査で明らかになった。「デイリー・メール」紙が報じた。
「Dignitus」が発表した統計によると、2008年から2010年に同クリニックでの安楽死を選択した英国人の数は計76人で1年につきおよそ25人となっており、2002年から2007年の年間平均14人と比較して、大幅に増加しているという。
また、2002年以来、同クリニックで亡くなった英国人の合計は160人で、安楽死を選んだ患者の6人に1人が英国人になっている。ほかにスイス人が118人、ドイツ人が592人だった。スイスでは、こうした安楽死ほう助クリニックの存在は違法とされていない。
英国人の増加の原因は、特に2008年11月に勅撰弁護士のキア・スターマー氏が公訴局長官に就任して以来、英当局が安楽死ほう助に寛大な方針を取るようになったことにあるとされる。
「Dignitus」での最期を選ぶ人の多くは、自分で航空券を買うことも、ひとりで移動することもできないといった障害を抱えているケースが少なくなく、こうした人たちは家族や友人からの支援を必要とする。
英国では、自殺しようとする人を手助けしたり教唆したりした人は、最長14年の実刑判決を受けることになっているが、同クリニックで亡くなった英国人をめぐって、個人が起訴されたケースはまだない。
ラグビー試合中の事故で不随となったダニエル・ジェームズさん(当時23)が、2008年秋に「Dignitus」で安楽死した際に、スターマー氏は方針を変更。2009年にスターマー氏は、ジェームズさんの両親を安楽死ほう助で起訴することはないと発表した。
さらに、安楽死ほう助をめぐるガイドラインの大筋がまとめられ、この中で、金銭的な利益を得るためでなく、「compassion(同情、思いやり)」から、重病の患者の安楽死をほう助する家族や友人については起訴されないということが大まかに述べられている。
一方、安楽死抗議団体「Care Not Killing Alliance」のアリステア・トンプソン氏は「公訴局長官のアプローチは、英国の安楽死や安楽死ほう助を事実上正当化するものだ」と反発している。