ウィンザー朝
ちょっと知った気になる8つの真実

 

エリザベス2世の正式タイトルは?
  「Her Majesty Elizabeth the Second, by the Grace of God, of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland, and of Her other Realms and Territories, Queen, Head of the Commonwealth, Defender of the Faith」(正式にはラテン語。直訳すると『神の恩寵による、グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国、ならびにその他の諸王国・諸領土の女王、英連邦元首、信仰の擁護者であるエリザベス2世陛下)だが、スコットランドには、厳密な意味で「エリザベス1世」が存在したことがない(エリザベス1世の時代には、まだ統一されていなかった)ため、これに意義を唱える向きもある。なお、本名のファーストネームおよびミドルネームは「Elizabeth Alexandra Mary」。
 

エリザベス2世は大富豪?

© Stuart Yeates
  ■バッキンガム宮殿、ウィンザー城、ノーフォークのサンドリンガム・ハウス(クリスマスはここで過ごすことが多い)、スコットランドのバルモラル城(夏はここで過ごすのが慣習)=写真=など、複数の城や宮殿を「所有」しているように思われがちなエリザベス2世だが、実際に私有財産として持っているのは、サンドリンガム・ハウスとバルモラル城のみ。バッキンガム宮殿やウィンザー城はトラスト(財団)が管理するスタイルだ。つまり、売ろうと思っても売れない!
■また、女王の「資産」については非公開。経済誌『フォーブズ』が2010年に「約3億ポンド」と見積もったことがある。

 

カトリック教徒との結婚は許されない?
  ■1701年成立の「王位継承法」により、英国国教会の教徒でなければ王(女王)になれないと定められたことは、本文でも触れた通り。また、同法では、配偶者も英国国教会の教徒でなければならないと明言。主要な王室メンバーであっても、例外は許されず、例えばカトリック教徒と結婚した時点で、王位継承権を剥奪されてしまう。
■2008年に、カナダ人のオータム・ケリーと結婚した、アン王女の長男、ピーター・フィリップスも、オータムがカトリック教徒だったことから、王位継承権を剥奪されそうになったが、結婚直前にオータムが英国国教会に改宗、ことなきを得た。時代錯誤になりつつある同法の一部を改定しようとする動きがあるのもうなずける。

 

エリザベス2世の飼い犬はすべてコーギー犬?

  ■イヌ好きであることでも知られるエリザベス2世。短い脚が愛くるしい、コーギー犬が足元でたわむれている女王の写真を目にしたことがある読者も多いのではないだろうか。女王が飼っているのは、恐らく「Pembroke Welsh Corgi」=写真=と呼ばれる犬種とのこと(詳細は非公表)。現在、女王の飼い犬という栄誉を与えられているのは「Linnet」「Monty」「Holly」「Willow」のコーギー犬4匹と、コーギー犬とダックスフントとの交配種「Dorgis」 である「Cider」「Berry」「Candy」「Vulcan」の4匹、計8匹。識別が難しそう?
■乗馬愛好者でもある女王は、もちろん馬も所有。また、競走馬の育成にも熱心で、毎年25頭を競馬に出走させている。

 

ロイヤル・スタンダードが示すものは?

© Barryob
  ■ここでいう「Standard」は「旗」のこと。「Royal Standard」という場合、君主のものを指すことがほとんどだが、実際には、主要な王室メンバーはそれぞれ少しずつ異なる「ロイヤル・スタンダード」を与えられている。
■写真は、「Royal Standard of the United Kingdom」の中でも、女王がイングランド、北アイルランド、ウェールズで使用するタイプのもの。バッキンガム宮殿やウィンザー城などでは、女王が滞在している間は、ユニオン・ジャックではなく、必ずこの「ロイヤル・スタンダード」が掲揚される。3頭の獅子はイングランドを、黄色地に赤の獅子はスコットランドを、竪琴は北アイルランドを示す。この「ロイヤル・スタンダード」が作られた時に、ウェールズは既にイングランドに併合されてしまっていたことから、ウェールズを示す図柄は含まれていない。

 

エリザベス2世の誕生日は6月?

  ■エリザベス2世は1926年4月21日生まれ。堅実で、歩みも着実という「おうし座」だ。しかし、「公式誕生日」は毎年6月の第2土曜日と決まっている。官庁街であるホワイトホール沿いに建つ、ホースガーズ・パレード(Horse Guards Parade)の広大な中庭(馬場として使えるようになっている)で、女王ら主要な王室メンバー、そして賓客を迎えて、「Trooping the Colour(軍旗敬礼分裂式)」と呼ばれる、華麗な軍楽パレードが展開される=写真。
■もともと、国威を示すために始められたパレードと考えられるが、1748年から、君主公式誕生日を6月の第2土曜日とし、この日に行うことが伝統となった。なお、6月が選ばれたのは、晴天になる確率が高いためといわれている。好天に恵まれて暑くなる年もあり、途中、イスに座ることはできるとはいえ、約2時間にわたって閲兵しなければならない女王の身体的負担は相当のもの。女王様になるのは決してラクじゃない!

 

エリザベス2世の伯父、エドワード8世は嫌われ者?

  ■1936年、離婚歴のあるアメリカ人ウォリス・シンプソン夫人との結婚を選び退位したエドワード8世。「王冠をかけた恋」と、ロマンチックに語られることもあるが、単なる責任放棄ともいえる。
■退位後、ウィンザー公となったが、英国内に住むことは許されなかった。失業問題などに対するナチス・ドイツの取り組みを高く評価し、親ヒトラー的態度を示して(1937年には実際にドイツを訪問=写真は「タイムズ」紙より)英政府をハラハラさせた。1940年、ウィンザー公にバハマ総督の任を与えたのは、ドイツとのこれ以上の接近を阻止するためだったともいわれる。
■1937年、ウィンザー公らはフランスのツール郊外で結婚式をあげたが、王室メンバーは誰も出席しなかった。また、1952年の弟ジョージ6世の葬儀にも、翌年の姪エリザベス2世の戴冠式にも招かれず、53年の母君メアリー皇太后の葬儀にはウィンザー公のみが出席。夫妻で英国の地を再び踏んだのは1967年、マルボロハウスで、メアリー皇太后記念碑の除幕式が行われた時で、これが一応の「和解」となった。
■エドワード8世退位をうけて即位した、弟のジョージ6世(『英国王のスピーチ』の主役)が56歳で亡くなったことから、国王としての重責がその寿命を縮めたとして、妻(エリザベス2世の母)エリザベスは、エドワードを激しく非難した。
■存命中、事実上の亡命生活は続いたが、ウィンザー公は1972年に、ウォリスも1986年にパリ郊外で死去した後、ともにウィンザーに葬られた。

 

チャールズ皇太子はチャールズ3世にならない?

映画『英国王のスピーチ』のワンシーン © www.lancashire.gov.uk
  ■英王室の長い歴史の中で、在位中に処刑された唯一の王がチャールズ1世。このことがあってか、チャールズ(本名:Charles Philip Arthur George)は、国王としては「ジョージ」を名乗る気持ちがあることを、2005年にほのめかしている。エリザベス2世の父も、ヨーク公時代はアルバートと呼ばれていたが、ジョージ6世として即位した。
■左の表を使って、名前ごとに「在位」の長さの平均を割り出してみると、次のような結果になった。
【長期在位トップ3】
①ヴィクトリア…64年(1000年の歴史の中で、ヴィクトリアを名乗った君主は1人のみ)
②エリザベス…平均51.5年(エリザベス2世のおかげでまだまだ更新中)
③ヘンリー…平均31.13年(ヘンリー8世まで計8人)
【短期在位ワースト3】
①レイディ・グレイ…9日間(チューダー朝の勢力争いの犠牲になった悲劇の女王)
②メアリー…5年(メアリー女王は計2人)
③リチャード…平均11.67年(リチャード3世まで計3人)
ちなみに、「エドワード」もあまり運の良い名前とはいえなさそう。1483年、弱冠13歳で即位したものの、わずか2ヵ月半で玉座からひきずりおろされロンドン塔に幽閉されたエドワード5世、そして在位325日で退位したエドワード8世など計8人、平均在位期間17.75年。このほか「ジョージ」(計6人)は平均26年、「ウィリアム」(計4人)は平均13.5年、「チャールズ」(計2人)は平均24.5年となっている。

 

 

 こんなことまで賭けのタネに!
 英国人が賭け事好きであることは、広く知られるところ。4月29日の結婚式を前に、既に次のような内容の賭けの受付が始まっている。賭けに参加したい人は、「William Hill」「Ladbrokes」「Paddy Power」といった、街中にある公式賭け屋をご利用のこと。ただし、「賭け」は負ける人が圧倒的に多いことから成り立っているビジネスであることを、くれぐれもお忘れなく。
※下記に挙げたのは、3月24日時点の1番人気

 「William Hill」
●結婚式後の晩餐会のメイン料理は?------ 牛肉……倍率1/2
●第1子誕生はいつ? ------ 2012年8月……倍率9/1
●10年後も2人は夫婦のままか?(イジワルい!) ------ イエス……倍率1/20
「Paddy Power」
●女王のかぶる帽子の色は? ------ 黄色……倍率4/1
●ケイトのドレスの色は? ------ アイボリー……倍率4/6
「Ladbrokes」
●ドレスをデザインするのは誰? ------ Sarah Burton……倍率1/20