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10/3 失業率は低下したが…英国は低賃金の『売り子』だらけ!?

 

 今年4月から6月の2ヵ月間における失業率がさらに低下。失業者数は208万人となり、2009年以降で最も低い水準となったが、その裏には手放しでは喜べない実状があることを、各紙が報じた。

 国家統計局の調べで、求職者手当の受給者は21ヵ月連続で減少し、就業者数は昨年よりも82万人増加したことが判明。また、自営業者数は450万人に達しており、これらの数値から、英国経済が徐々に復調しつつあるように見える。

しかし、その一方で、懸念される点が複数指摘されている。ひとつめは、賃金上昇率が低いことで、失業率は下がったものの、過去1年間の物価上昇率が1・9%であったのに対し平均賃金の上昇率はわずか0・6パーセントにとどまった。

イアン・ダンカン・スミス労働・年金相は、「これまでに断行した厳しい福祉改革が失業率の低下につながった。我々の長期経済改革プランが功を奏している証拠だ」と自信たっぷりに語ったが、英国の労働組合会議(Trades Union Congress=TUC)のフランシス・オグレイディ書記長は、これに反発。「現在の経済状態は、低賃金の職業を量産しているだけで、これは英国経済の持続的な回復にはつながらない。高賃金の職業をより多く創出することが、経済回復に不可欠」とコメント。同氏はさらに、「自営業者の多くは会社勤めの就労者よりも低所得であり、自営業者の増加は単純に歓迎できるものではない。低賃金問題は我々が考えているよりも根が深い」と現状を危惧した。

 これを裏付ける調査結果も発表されている。シンク・タンクである「ジョブズ・エコノミスト」の調べによると、現在、高度な技術が必要とされる専門職も微増してはいるものの、増加ぶりがもっとも顕著であるのは小売店の販売員で、その数は110万人に上り、「英国で最も多い職業」の座を獲得したことが明らかになった。このほか、清掃業者が60万人、専門的な調理人を含まないキッチン及びケータリング・スタッフが45万人と、上位5位以内に特別なスキルを必要とされず、比較的低賃金である職業がランク・イン。これ以外では、介護職が79万2000人、看護師が59万人となっている。

東インド会社を設立するなど、かつては七つの海で華々しく貿易を行い、「Nation of shopkeepers(商人の国)」と呼ばれた英国だが、「Nation of shop assistants(店員の国)」と化してしまったと嘆く声が聞かれている。

 

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