7/7 ロンドンのバス、7月5日をもって現金支払いの受付停止

ロンドンの公共交通機関である地下鉄、バスに、自動精算のできるプリペイド式「オイスター」カードが導入されてから11年。ロンドン交通局(Transport for London〈TfL〉)では、引いては人件費削減につながることから、オイスターの普及=キャッシュレス化の推進に積極的に取り組んできた。言い換えれば、オイスターを持たずに地下鉄、バスを利用する場合の運賃を、外国人旅行者が「何かの間違いでは」と思うほど高額にするなど(ゾーン1内では地下鉄の初乗り4.70ポンド)、露骨なまでの『嫌がらせ』(あるいは、正当化された荒稼ぎ)を行ってきた同交通局が、ついに7月5日をもって、バスの全路線で現金での運賃支払いを完全に停止した。各メディアが報じた。

 今までは、オイスターの残高が不足していた場合、バスのドライバーに現金で支払えていたのが今後は認められなくなる。不安視する声が高まるのは必須とみた同交通局では、オイスターの残額が足りなかった場合の解決策として、6月8日より新たなシステム「ワン・モア・ジャーニー」を採用している。

 同システムでは、残高不足のオイスターでも、1度に限ってバスの乗車を許可。その際、「オイスターのチャージが必要です」との内容が記された紙が乗客に発行され、運賃不足状態で乗車した場合の不足金は、再チャージした際に差し引かれる仕組み。また、バスではコンタクトレス機能が付いたクレジットカードによる支払いも可能となっている。

 同交通局では運賃を現金で支払う乗客がわずか1パーセントのみという状況から、完全なキャッシュレス化に踏み切ることを決定したと説明。しかし、例えば夜遅くにロンドンに到着した外国人観光客が、この完全キャッシュレス化を知らない場合などはどうなるのか。

 弊社編集部が同交通局に問い合わせたところ、「ほとんどの観光客は、完全キャッシュレス化による影響を受けることはない」と回答があった。つまり、「影響を受ける観光客もいるが、ごく少数なのでがまんしてもらう」というスタンスのようだ。ロンドンはいやな都市だった、と悪い思い出だけを抱いて母国に帰っていく旅行者が増えないよう祈りたい。