12/13 症状は「寂しい病」―孤独から医者にかかる高齢者増加

 冬本番を迎え、風邪などで体調をくずしてGP(地元医)のもとを訪れる人も増えていることだろうが、待合室に座って順番を待つ人がすべて『病気』であるとは限らないという。1日にGPを訪れる患者のうち、多いところでは10人、あるいはそれ以上が、「寂しさ」を患っている年配者である実情を、各メディアが伝えた。

英国では、NHS(国民医療サービス)を利用する場合、しかるべき病院に紹介してもらうにも、まずはかかりつけのGPのもとに足を運ばなければならない。ここで診断を受け、必要な病院の治療を受ける手配をしてもらうことになる。つまり、GPは日常生活と深くかかわっている場所ともいえる。このほど、行われた調査で、その事実が浮き彫りになる結果が明らかになった。

調査に参加した1000人以上のGPのうち、76%が、1日あたり1~5人の患者は、寂しさを紛らわせるために来院している年配者であると回答。11%のGPについては、1日あたり5~10人の孤独な患者を診察、さらに4%の医師が、1日平均で10人以上の『寂しい病』に悩む患者を診ていると答えたことも分かった。

同調査を実施した、孤独と戦う高齢者をサポートする団体「Campaign to End Loneliness」の会長、ケイト・ジョプリング氏は、「孤独を感じている人がきわめて多いにもかかわらず、どう対処して良いか方法が分からず、医者のもとへ行くという結果になっている」と説明。孤独を感じている人々をサポートするとともに、危機感を抱いている人に対しては防止策をとる必要があると同氏は話している。

一方、ほぼ半数にあたる49%の医師が、孤独を感じている患者に対処する自信がないと答えており、実際に患者の助けになれると考えている医師は、13%にとどまっている。

調査によると、65歳以上の人々のうち、300万人が孤独を感じている計算になり、時々孤独を感じるのは高齢者の5人に1人。13%は常に寂しい思いをしていると答えている。

ジョプリング氏は、「医師として、患者を助けられないことほど悔しいことはないものですが、できることから始めてほしい」とコメント。「例えば、孤独を感じる高齢者をサポートするボランティア活動や公営のスキームが多数あるので、まずはこういった活動、スキームの存在を知り、それを患者さんに示してみては」と提案している。