5/29 女王様の影武者は69歳のこの女性―20年間無給

20数年に及んで公共放送のカメラの被写体になり続けて来たにもかかわらず、公の目にふれない、白髪(はくはつ)で背丈163センチほどの女性―エリザベス女王の『影武者』が存在することを「デイリー・テレグラフ」紙が報じた。
テレビの撮影班がエリザベス女王に関わる報道番組のリハーサルを行う際には、いつもこの女性、エラ・スラックさんを起用するのだという=写真(「デイリー・テレグラフ」紙より)。女王に似通った背丈とその容姿はリハーサル時の代役として完璧とされている。
現在69歳のスラックさんは、かつて英公共放送「BBC」のプロデューサーとして勤めていた。1988年に、テレビの撮影班と共に戦没者追悼記念日や議会開会式などの報道番組の準備をするにあたり、女王の代わりを務めたことから、自分の容姿がリハーサルに最適であることに気づいたとされている。
今はマン島在住ながら、国家的行事が行われる際にはわざわざ呼び出されるというスラックさん。彼女が実際に立ち会うことにより、撮影陣はエリザベス女王の姿を完璧なアングルでとらえるための足場の確保が可能になるとともに、同女王が目に直射日光を受けないよう、事前に配慮することなどもできるという。
同女王のために全てが円滑に運ぶよう、準備を整えるのに不可欠であるこの役目についてスラックさんは「光栄なこと」と話している。
さらに彼女は自ら独自に衣装類も取り揃えているとされ、この中にはチャリティ・ショップで入手した1ポンドの黒いハンドバックも含まれているという。エリザベス女王は、公務の際、黒いハンドバッグを携えているケースが多いことで知られている。
なお、スラックさんは、この役目を果たすにあたって、これまでに報酬を受け取ったことがないことも明らかにした。「一体この世の何人の人々が、王室の最上格の馬車に乗ったりウィンザー城の高座に座ったりすることができるでしょう。しかも、女王様が実際に体験される前に、試す機会を与えられることもしばしばなのですよ」と、その理由を説明している。