ロンドンで自転車の利用者が増えた結果、3年前よりも負傷者が13%も増加していることが分かった。
「Metro」紙によると、2008年にロンドン市長に就任したボリス・ジョンソン氏が、環境にやさしい交通手段として自転車の利用を奨励。また、不況やガソリンの高騰も手伝ってか、自転車の人気が高まったものの、自転車利用者の負傷者数も増加し、2008年と比べると、その率は13%も上昇したという。
ジョンソン市長が導入したスキーム「Cycle Superhighways」は、ロンドンの一部の車道に自転車専用レーンを設けるとともに、市内の中心部にいくつかレンタル自転車の『駐輪所』を設置し、利用者は駐輪所から駐輪所まで移動したあと、乗り捨てができるようにしたもの。しかし、「気軽」に自転車で移動する人が増え、これが事故を増やす結果になった、と非難されているという。
最新の年間統計として公表されている2010年には、138人に1人の割合でサイクリストが負傷。前述のスキーム導入前の2007年の158人に1人という割合に対して、13%の増加が見られた。
この数字は、自身が熱心なサイクリストであり、このスキームをより安全なものにすると約束していたジョンソン市長にとってうれしいものではないことは明らか。
しかし、ロンドンの環境部署のトップで、このサイクリング・スキームの責任者でもあるクルヴィーア・レンジャー氏は、(このスキームが導入された)2008年以降、ロンドンにおける、サイクリストの死亡や重症を伴う事故は7%減少しており、2001年に比べるとその数は半減していると反論している。