英国各地で暴動が発生した今月8日の翌朝、市民が掃除用ブラシを持参して自主的に暴動現場の清掃作業を開始した=写真(ともに「メトロ」紙より)。
「メトロ」紙などが伝えたところによると、9日の夜明け直後から、『ライオット・ウォンブルズRiot Wombles(※)』と名づけられた市民らが、ロンドン、バーミンガム、リヴァプールで暴動の被害を受けた商店街の後片付けを行ったという。
ロンドン北東部のハックニー・タウン・ホールには100人以上のボランティアが集まり、そのうちの多くは、この後、やはり暴動の舞台となったロンドン南部のクラッパムやクロイドンの後片付けに向かった。
クラッパム・ジャンクション駅周辺には多くのボランティアが集まり、『ホグワーツ魔法魔術学校よりホウキが多い状態』になったという。
また、ロンドン北部のカムデン・ハイ・ストリートでも昼までに壊れた窓ガラスが直され、道路や歩道も片付けられた。
清掃作業の合間の休憩時には、警察官が防御盾をトレイにして紅茶をふるまう姿もみられたという。
英中部バーミンガムでは、80人ほどが店舗の後片付けに参加した。
地元コミュニティの活躍は後片付けだけにとどまらず、暴動が発生した8日夜には、ロンドン北部ダルストンでトルコ人の商店経営者らが略奪者を追い払い、南部のクロイドンでもクルド系コミュニティが町の一部を守り続けたという。
ソーシャル・ネットワーキング・サイトは、略奪者が暴動計画を広めるのに利用されたとして一部で非難を受けたが、後片付けの呼びかけもソーシャル・ネットワーキング・サイト「ツイッター」などを通して行われた。
ちなみに「ツイッター」では、ロンドンのマイノリティ・コミュニティーの活躍を讃えるメッセージが、極右党「英国国民党」に送られた。
また、インターネットでは、暴動に加担した人々の身元を割るための写真サイト「catchalooter.tumblr.com」の存在が口コミで広がっているという。
※ウォンブルズ:子供向けテレビ番組で人気を博したキャラクターたち。ゴミを集めたり、リサイクリングを行ったりして環境保護に努めるのが好きという、善良な性格。
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