葬儀会社のパッケージはこんなカンジ…



火葬場や墓地までの棺を運ぶのに、馬車を選ぶこともできる。

葬儀会社が用意しているパッケージは実際に、どういったものが含まれるのか。英大手葬儀チェーン「コープ・フューネラルケアCo-operative Funeralcare」が提供する葬儀プランを例にとってみてみよう。ここでは火葬の「ゴールド・プラン」を挙げておく。一括払いで3620ポンド、分割払いには12ヵ月、24ヵ月、36ヵ月がある。また、このほかに「シルバー・プラン」、「ブロンズ・プラン」が用意されており、それぞれ細部が異なり、やや費用がおさえられる。できれば比較検討してから、プランを選びたい。

なお、本人が生前のうち自分が希望する葬儀内容を設定し、その料金を前もって支払い、もしくは積み立てをしていくことも可能。葬儀費用は火葬代だけでも大変な金額になる。残された家族への負担を軽減したいという堅実派・安心派にぴったりだ。一括払いもあるほか、健康に問題がなく、50歳から80歳の年齢なら誰でも積み立て式の支払いを利用できる。この場合、実際に葬儀を行うことになった時点で、インフレにより費用が値上がりしていても、値段据え置きで差額支払いはなし、というのも魅力だ。

 


「コープ・フューネラルケア」は、多様な要望に応えることを目指しているという。例えば、この日本製霊柩車も、日本から輸入して所有、『その日』に備えていると知らされ、取材班も正直いって驚いた。
葬儀社への支払い

●手配料
●葬儀の費用
●木製の棺、棺の内装、装飾
●霊柩車1台
●遺族用のリムジン1台
●24時間以内に英国内(50マイル圏内)の安置所への遺体移送
●遺体の処置、防腐処理
●火葬場での葬儀の手配
●自宅・遺体安置所・教会から火葬場までの行列(遺族が自由にルートを選択することが可能)


遺族へのサポート

●葬儀の日程・時間の設定などの計画立案
●葬儀に関するアドバイスの提供
●営業時間内の遺体安置所への案内(営業時間外は要予約)
●専門家の力を借り、死別の悲しみを乗り越えるための相談サービス


取材に協力してくれた「コープ・フューネラルケア」のリージョナル・マネジャー、ポール・ローデン氏(Paul Rowden)=写真右=と、マネジャーのダン・ドゥリュウェル氏(Dan Drewell)=同左。「葬儀社との打ち合わせでは、どんなことでも遠慮せずに聞いてください」と話す。
その他 

●医師の診察費用
●火葬場での火葬費用
●火葬を行うための手続き費用


 

飛行機で日本に移送する場合





英国に移住し英国で死を遂げたとしても、日本で葬儀・火葬をして、遺骨は先祖代々の墓に入れて欲しい、と考える人もいるだろう。そのためには遺体を日本に移送する必要がある。遺体搬送(repatriation)には、細かい手続きが必要になるので、葬儀社に手配を任せた方がスムーズに進む。葬儀社が日本領事館とのやりとりや航空便の予約など、基本的にすべての作業を手配してくれる。遺体搬送を専門に扱っている葬儀社もある。
通常、遺体の防腐処理(embalment)、航空券の手配、棺の用意、梱包、搬送までを一括して発注するが、これらの費用は計3500ポンド~。棺は外見は普通のものと同じだが、棺の内側に防腐のための金属を敷き詰める。
遺体搬送に必要な書類は、死亡証明書(Death Certificate)2通、故人のパスポート、搬送先の空港での受取人(遺族、または日本の葬儀社)の詳細など。
なお、日本で火葬または埋葬を行う場合は、日本での火葬または埋葬許可証が必要になる。この許可を得るためには、日本で死亡届が受理されていなければならない。英国にある日本領事館に届けると時間がかかるので、火葬または埋葬を行う市区町村役場に死亡届を直接提出することが薦められている。

 葬儀にまつわる専門用語

funeral director    葬儀社
hearse    霊柩車
procession     葬儀の行列
the deceased    故人
bereavement    死別・不幸
crematorium    火葬場
cremation    火葬
interment / burial    土葬
mausoleum       墓陵
headstone       墓標
casket / coffin       棺
urn       骨壷
obituary notices       新聞の死亡欄
flower tributes       献花
embalment       遺体の防腐処理
mortuary / chapel of rest   遺体安置所
repatriation       遺体搬送