野田秀樹新作舞台 NODA•MAP「正三角関係」世界配信決定
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知人のお葬式に臨むことになったら…

1 カードを送る

知人が亡くなったというニュースを聞いたら、まずはお悔やみ(sympathy/ condolence)のカードを送る。
遺族に対して慰めやサポートの気持ちを簡潔に表すのがポイント。遺族の気持ちを害したり悲しみを深めたりする表現は避けること。
ここにいくつか文例を挙げておこう。これらの言葉をカードに記入して、遺族宅に送る。それほど親しくない知人でもカードを送ってだいじょうぶだ。仕事上の付き合いの場合は、Eメールだけでもよいだろう。
また、ニュースエージェントやスーパーなどでもお悔やみ用のカードが入手できる。カードにははじめからメッセージが印刷されているものが多いので、気軽に利用できる。

■We are deeply sorry to hear about the death of ___.
「○○さんの逝去について大変悲しく思います」

■Our thoughts and prayers are with you during this difficult time.
「お辛いかと思いますが、私たちの気持ちと祈りはあなた方と共にあります」

■We are saddened to hear of your sudden loss.
「突然の訃報を悲しく思います」

■ I am so sorry for your loss. My thoughts are with you and your family.
「大切な方を亡くし悲しい限りです。私の思いはあなたやご家族と共にあります」

■May peace and comfort find you during this difficult time.
「お辛いことでしょうが、心に平和と慰めが訪れますように」

■ I am here for you. Please let me know if I can help in any way.
「私にできることがあれば、何なりとおっしゃってください」

2 花を贈る



ロンドン南西部にある、パットニー・ヴェイル墓地に表示してある、献花についての注意書き。葬儀の5日後には撤去されるという。
日本のように香典を包むかわりに、英国では葬儀に際して献花(flower tributes)をすることが多い。葬儀当日に持参する方法もあるが、少数派。花は故人の自宅に送るか、葬儀場に配達されるよう手配するのが一般的だ。ただし、遺族から「花は親族のみ」と指定されるケースもあるので注意が必要(婉曲的に、「花は辞退します」と言われていると理解しよう)。花代の相場は20~50ポンドくらいだが、その人の予算によってさまざまだ。インターネットなどで、故人宅、あるいは葬儀場の最寄の花店(あるいはオンライン・デリバリーの店)を探し、「葬儀用の花束」として予算を伝え、配達してもらえばいいだろう。
花束の種類は、十字型、ハート型、リースなどといろいろ。シンプルな切り花は「spray」と呼ぶ。また、花で「Mum(お母さんへ)」「Dad(お父さんへ)」といったメッセージを作ったり、ビールが好きだった故人にビールのパイント型の花、サッカーが好きだった故人にサッカーボール型の花を送るなど、故人の趣味にあわせた花をオーダー(personalised floral tribute)することも可能だ。
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葬儀の後、花は遺族が自宅に持ち帰るほか、故人の職場や地元の病院、老人ホームなどに寄付されることも多いという。
さらに、花を贈るかわりに、その花代を故人が生前支援していた慈善団体や故人の死因に関連した慈善団体(Cancer Research UK、British Heart Foundationなど)へ寄付してほしいと遺族から要請されることもある。いずれにせよ、遺族の希望に添うことが最重要ポイントだ。

3 実際に参列する


1900年当時のヴィクトリア女王、80歳(1901年逝去)。42歳の折に夫君アルバート公が突然病死して以来、喪に服し続け、常に黒いドレスを身にまとった=Bertha Müler作、ナショナル・ポートレート・ギャラリー所蔵。
不幸の知らせを受け取ると、日本ではまず通夜に駆けつけ、改めて数日後に行われる葬式に出席するパターンが一般的だが、英国では基本的に遺族から連絡があるまで、遺族のもとを訪れることはしない。
遺族や知人から葬儀の連絡を受けるか、新聞の死亡欄をみて葬儀についての情報を得る。職場での不幸については、人事部、上司などから連絡がまわってくるだろう。
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日本では葬儀に黒い喪服を着用することが絶対的なルールになっているが、英国は若干異なる。英国でも葬儀に黒色の服を選ぶのが一般的だが、最近では黒以外の衣服を着る人も多くなっている。場合によっては、故人の遺言や遺族からの要望により、黒以外の服や明るい色の服を着用するようにと指定されることもある。葬儀を暗い雰囲気ではなく明るいものにしたいという意向なので、それに準じた格好をすること。
しかし、服装についての指定がない限り、黒や紺色、茶色などダークな色を着用するのが無難だろう。かつては、男性は黒いスーツに黒いネクタイ、女性は黒いドレスに黒いベールと決まっていたようだが、時代の流れとともに、葬儀のスタイルも変わりつつある。とはいいつつ、ジーパン、派手な色柄モノ、目立つアクセサリーなどは避けるべき。きちんとした身なりのスマート・カジュアルを心がけよう。
なお、冬季の葬儀に参列する場合、教会は暖房施設が整っていないこともあるので、厚手のコートやブーツ、帽子、マフラーなどの防寒具も必要になる。
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ロンドン東部、マナー・パーク墓地にある、火葬場を併設した教会。
英国の葬儀は、亡くなり方にもよるが、日本のものに比べると明るい雰囲気であることが少なくない。これは、英国では葬儀が「故人の生前を祝う場」だと考えられているためである。参列する側も特にかしこまる必要はないので、葬儀の前後には、遺族のところに行ってお悔やみを述べたり、遺族と面識がない場合は自己紹介をしたり故人にまつわる話をするとよい。レセプション(葬儀後の懇親会)もできるなら出席するほうがいいだろう。