オリジナルの賭けを作ってみた

 ところで、競馬やドッグレースで興奮を味わう一方、日常の事象を賭けの対象にして楽しんでしまおう、というのが英国式。自分で勝手に賭ける事象を決めて、ブックメーカーがそれに対してオッズを出すという不思議なシステムがあることは既に述べたが、2つのレースが残念な結果に終わった記者2人が、「次こそは!」と名誉挽回のためにオリジナルの賭けに挑戦することにした――のだが…。

 我々が考えたオリジナルの賭けは全部で11。アカデミー賞授賞式が間近であったことからその受賞に関する賭けやサッカー、そして取材当時、スポーツ関連以外では最も注目が集まっていた新ローマ法王の選出まで、様々な賭けをキャッシャーに持ち込んだ。
すると、そのベッティング・スリップの束を前に、スタッフはやや苦笑気味。「うーん、まず簡単そうなのからやっていきましょう」と処理していく。結局、スタッフに受理され、その場でオッズをつけてもらえたベットは7件だった。それらの掛け金を支払い、レシートを手にしたら(賭けに勝った際、レシートはリターンとの引き換えになるので失くさないよう注意)、あとは発表の日を待つだけ。長い体験取材の一日が、これにて幕を閉じたのであった。

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 さて、ワクワクしながらそれぞれの授賞式や試合日を指折り数えていたものの、結果はというと、ご覧の通り(下の表)。ことごとく見事なまでの気持ちのよいハズレっぷりとなった。
以上、右も左も分からない未経験者による初めてのギャンブル体験、ベッティング・ショップの様子が、2人の悪戦苦闘振りとともに少しでも伝われば幸いだ。余談ながら、取材の翌日、編集者のKは熱を出して寝込んだそうである。

 

受け付けてもらった賭け一覧

作った賭け

オッズ 掛け金

結果

映画『リンカーン』がアカデミー賞作品賞を受賞

4/1  £3

はずれ(受賞作は『アルゴ』)

ヒュー・ジャックマンがアカデミー賞主演男優賞

16/1  £3

はずれ(ダニエル・デイ・ルイスが受賞)

ブリット・アウォード最優秀男性ソロ・アーティストはPlan B

20/1  £3

はずれ(ベン・ハワードが受賞)

2月24日のマンチェスター・シティ対チェルシー戦 3対1でマンCの勝ち

10/1  £3

はずれ(2対0でマンCの勝ち)

2月18日、FA杯マンチェスター・ユナイテッド対レディング戦、香川が1点目のゴールを決める

11/2  £2

はずれ(この日、香川は出場しなかった)

新ローマ法王はガーナのピーター・タークソン氏

11/4  £5

はずれ(アルゼンチンのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ氏が新法王に就任)

3月10 日、英国に隕石が直撃

100/1  £2

はずれ(はずれてよかった…)

 

ショック!! オッズを出してもらえなかった賭け

 その場でオッズがつけられないということで、受け付けてもらえなかったベットもあった(4件)。参考までに、下に挙げてみよう。

■日本の総理大臣(安倍首相)が2週間以内に辞意を表明
■ 気象庁が3月18日に桜の開花宣言を発表
■2週間以内にビッグベンの鐘が壊れて落ちる
■ ビヨンセとジェイZが3月中に離婚

 本文にもあるように、アカデミー賞のように候補者があらかじめ決まっているものや、サッカーのように過去の統計をもとに結果が導きだせる種類のベットはすぐにオッズを出してもらえるようだが、却下されたのはどれもみな改めて調査が必要なものばかりだった。
だが、左記のようなものでも、郵送にて本社のカスタマー・サービスなどに問い合わせると、1週間ほどあればオッズを知らせてくれるという(オッズが出せない場合もあり)。店によって対応方法が異なる可能性もあるので、まずはキャッシャーのスタッフにたずねてみよう。どのスタッフも皆フレンドリーで親切だ。

取材協力:William Hill