2012年6月7日 No.731

●取材・執筆/佐々木敦子・本誌編集部

 

[1908] [1948] [2012]

ロンドン「十五輪」物語

 

いよいよ7月27日から始まるロンドン五輪。
ダイヤモンド・ジュビリー4連休が終わり、人々の関心も本格的にオリンピックへと向かいそうだ。
近代オリンピックは今年でちょうど30回を迎えるが、ロンドンが開催地になるのはこれで3度目。
ここでは、第1回目の1908年、戦後復興期の1948年、そして今年2012年の夏期オリンピックと、
ロンドンを舞台にした3つの五輪(あわせて十五輪)の歴史をたどってみよう。
背景を知れば、今度のロンドン五輪が何倍も身近に感じられるに違いない。

 

 

各国がしのぎを削るビッグ・イベント

 2008年8月、前回の夏季オリンピックである北京大会の開催式を飾った、豪華絢爛な花火を覚えている方も多いだろう。開催国中国が、国の威信をかけたこの式典は、中国の右肩上がりの経済力を世界に印象づけることに大いに役立った。オリンピックは「スポーツの祭典」と言われるものの、開催国にもたらされる経済効果は巨額であることから、誘致に必死になるあまり、オリンピック選考委員会のメンバーを買収しようとする国まで現れる始末。出場する競技選手たちの能力だけでなく、開催国の国力も問われる政治的イベントと化していることは紛れもない事実と言える。
 ロンドンでの五輪開催はこれで3回目となるが、このように同じ都市で何度も繰り返し開催されるのは類を見ないという。
 なぜロンドンなのか。
 そして、なぜ今回、英国は再び開催国になり得たのか。これまでのロンドン五輪の歴史を振り返り、その秘密を探ってみよう。