パラリンピック種目紹介 (順不同)

車いすテニス
車いすで行うテニス。一般のテニスと同じ規則で、コートの広さやネットの高さも同じだが、ツーバウンドによる返球が認められている。 アテネ・パラリンピックからクアードクラスが正式種目に加わった。

■競技に使用する車いす…回転性能や敏捷性が得られるようなテニス専用のものが用いられることが多い。テニスの技術に加えて、車いすをどれだけ自在に扱えるかが勝利のカギ。

■クアードクラスって?…重度の障害をもつ選手のクラス。車いす使用者対象で、男女混合で競われる。ちなみにクアードとは四肢麻痺のこと 。

 

シッティングバレーボール
臀部の一部が床に常に接触した状態のままで行う6人制バレーボール。動きの少ない「シットボール」というゲームと、「バレーボール」を組み合わせた競技。女子バレーについては、アテネ・パラリンピックから正式種目に加わった。

■コート…一般のバレーボールコートよりも狭い。座位のため、ネットの高さも低く設定されている。
■ボール…公認バレーボール球を使用。

■臀部って?…「上体」のことで、肩から臀部(お尻)までの部位のことを指す。なお、サーブ、ブロック、アタックなどで立ち上がったり、飛び跳ねたりすると反則になる。

 

卓球
一般の卓球競技に準ずるが、障害の程度によって規則を一部変更。選手は障害の種類や程度、運動機能によってグループ分けされて競技が行われる。

■車いす使用者のサービス…エンドラインを正規に通過したボール以外はレットとなる。
■障害により正規のトス(サービスのためにボールをあげること)が困難な選手…自分のコートにいったんボールを落とした後、相手コートにサービスすることが認められている 。

■エンドラインって?…コート内でネットに平行して引かれている、選手に近い白線のこと。
■レットって?…得点に数えない、つまり「ノーカウント」でやり直すこと。

 

車椅子バスケットボール
車椅子で行うバスケットボール。競技技術に加えて、車椅子の操作性も求められる。一般のバスケットボールに準ずる(コートの大きさやリングの高さも同様)。

■競技規則…ボールを保持した状態で2プッシュまで車椅子をこぐことが可能。連続して3プッシュ以上こぐとトラベリングになる。また、ダブルドリブルは適用されない。
■車いす…回転性能や敏捷性、高さが得られるように、車椅子バスケットボール専用の車いすが使用されるケースが多い。
■プレーヤー…選手の障害の程度に応じて持ち点(1.0点から0.5点きざみで4.5点まで)が決められ、1チーム5人の持ち点合計が、14点以下になるよう編成される。

■ダブルドリブルって?…一度ドリブルをやめて持ったボールを、再度床につく(ドリブルをする)こと。または、両手で同時にドリブルすること(最初のつき始めは、両手でもOK)。

 

ウィルチェアーラグビー
四肢に障害を持つ者が車いすで行うラグビー。2つのパイロン間に引いてあるゴール・ライン上にボールを運ぶことで得点となる。

■プレーヤー…一度にプレーできるのは4名。プレーヤーは障害の程度によって0.5点~3.5点までの7段階のクラスに分類、チームの4選手の持ち点合計が8.0点以内になるよう編成される。
■ボール…バレーボールの球を基に開発された専用の球を使用。
■競技規則…通常のラグビーと異なり、前方へのパスが認められる。投げる、手で打つ、ドリブル、転がすなどしてボールを運ぶが、蹴ることは出来ない。
■車いす…車いすで接触することにより、相手の攻撃や防御を阻止することも認められる。車いす同士の激しいタックルやさまざまなポジションに対応できるよう、ラグビー専用の車いすを用いるケースも多い。

 

脳性麻痺者7人制サッカー
脳性麻痺者によるサッカー。前半・後半30分ずつで、ハーフタイムは15分。選手交代は3人まで認められている。

■プレーヤー…1チームは7人編成。
■競技規則…障害を考慮して、FIFAの規則が一部修正されている。主な違いは、オフサイドがない、片手でのスローイン可、グラウンドの大きさやゴールの大きさが11人制サッカーより小さいことなど。

■FIFAって?…国際サッカー連盟のこと。「Federation Internationale de Football Association」の略。ワールド・カップやオリンピックといった国際大会もすべて、同連盟の定めたルールにのっとって行われる。

 

視覚障害者5人制サッカー
視覚障害者のサッカー。2004年のアテネ・パラリンピックから正式競技になった。試合は前半・後半25分ずつ、計50分。鈴入りのボールを使用する。

■ピッチ…フットサルとほぼ同じで、縦が38~42メートル、横は18~25メートル。
プレーヤー…1チーム5名がピッチ上でプレーする。コーチ(コーラーと呼ぶ)が、相手ゴールの裏から指示を出すことが認められている。ゴールキーパーは晴眼者または弱視者が行う。フィールドプレーヤーは視覚障害者が行う。フィールドプレーヤーは、アイマスクとヘッドギアを装着して競技することが義務付けられている。

■フットサルって?…スペイン語の「futbol de salon(フットボール・デ・サロン=「室内サッカー」)」が短縮され、「フットサロ」、さらには「フットサル」と変化して定着したとされている。5人制の屋内サッカーと説明されることもあるが、一般的なサッカー(11人制の屋外競技)とではルールに異なる点も多い。

 

ゴールボール
視覚障害者が行う対戦型スポーツ。鈴の入ったボールを投球して攻撃したり、鈴の音を聞いて身体全体を使ってセービングをしたりするなどして、得点を競い合う。もともとは、第二次世界大戦で視力に障害を受けた傷痍軍人のリハビリテーションプログラムとして作られた。

■チーム…1チームは3人編成。
用具…視力の障害の程度に関わらず、アイシェードを装着してプレーする。

■アイシェードって?…目隠しのことで、目の上にガーゼの眼帯をした上に黒く塗られたアイシェードを着けてプレーする。試合中にアイシェードに触れる行為は反則となる。また、コートのラインは紐で立体的にしてあり、触って確認できるようになっている。

 

ボッチャ
ローン・ボウリングに類似したスポーツ競技。赤または青の皮製ボール6個をそれぞれ投げ、ジャックと呼ばれる白いターゲットボール(的球)にどれだけ近づけられるかを競う。個人、ペア、チームで勝敗を争う。

■重度障害者の競技…ボールが持てなかったり、投球できなかったりする場合には、ランプという傾斜のある投球器具を使用。ランプはスポーツアシスタントが持ち、競技者の指示に従い左右に振ったり高低をつけたりする。

■スポーツアシスタントって?…競技には参加せず、「アシスト」に徹する。競技者にアドバイスをしたり、コートの方を振り返ったりすることは禁止されており、競技終了までコートに背を向けていなければならない。

 

陸上競技
一般の陸上競技に準じて行われているが、障害を考慮して実施種目や競技規則、用具などを一部変更。また、こん棒投げなど特別に考案された種目も行われている。障害の種類や程度、運動機能によってクラス分けがなされ、クラスごとに競う。

■車いす使用者の競走競技…「レーサー」と呼ばれる軽量(約5キロ~8キロ)かつ空気抵抗を減らすように設計されたフレーム形状の専用車いすを使用する場合が多い。
■下肢切断の選手による競走競技…スポーツ用に開発された義足を装着して競技を行う選手も多く見られる。
■視覚障害選手による競技…競走競技の場合は、ガイドランナー(伴走者)とともに走ることができるほか、フィールド競技においては、コーラー(手たたきなどで音を出し、選手に方向を知らせる人)による方向指示を得て跳躍や投てきが認められているなど、障害の種類や程度に応じた工夫がなされている。

■こん棒投げって?…ブナ材で作った長さ39センチ、重さ400グラムのトックリ形のこん棒を頭上から投げる。3回投げたうちの最高が採用される。
■100メートル走の世界記録は?…両足切断者クラスの世界記録保持者は、ロンドン五輪への出場も果たした南アフリカのオスカー・ピストリウス選手で、記録は10秒91。

 

アーチェリー
肢体不自由者によるアーチェリー。一般のアーチェリー競技に準じて行われているが、障害を考慮して競技規則や用具などを一部変更。

■種目…男女別にリカーブボウ、コンパウンドボウの個人戦及び団体戦がある。
■競技形式…ランキング・ラウンド及びオリンピック大会用オリンピック・ラウンド方式で行われる。

■オリンピック・ラウンドって?…2名の選手が1射ずつ交互に得点を競い合う「1対1」のマッチ戦。射距離は70メートル。ターゲット・フェースは直径122センチ。
■ランキング・ラウンドって?…個人戦・団体戦での対戦相手、シューティングの位置・順番を決定するため、全競技者が出場して行われる。非公開。

 

射撃
ライフル、またはピストルで規定の弾数を射撃、得点を競う。どんな状況にあっても、自分をコントロールできる強い精神力が必要とされる。

■種目…銃の種類、 射撃姿勢によって合計12の種目がある。
■競技規則…標的までの距離は種目によって異なり、50メートル、25メートル、10メートルがある。1発の満点は10点。射距離10メートル のエアライフル種目で、満点の10点を得点するためには、標的中心の直径 0.5ミリのマークに直径4.5ミリの弾を命中させる必要がある。
■クラス…自分の腕で銃を 持つSH1クラス、専用の支持スタンドを用いるSH2クラスの2つ。

■エアライフルって?…空気または不燃性のガスにより弾丸を発射する。ライフル銃であることに変わりはないので、日本では厳しい銃刀法の規制が適用される。

 

柔道
視覚障害者による柔道。基本的な競技規則は、一般の柔道とほぼ同じ。段位は健常者と同様に講道館で取得する。障害の程度とは関係なく、体重別男女7階級で行われる。女子柔道は、アテネ・パラリンピックから正式種目になった。

■競技規則…「国際柔道連盟試合審判規定」及び大会申し合わせ事項によって行われるが、大きく異なる点が3つある。
試合は、両者がお互いに組んでから、主審が「はじめ」を宣告する。
試合中、両者が離れたときは主審が「まて」を宣告、試合開始位置に戻る。
場外規定は基本的に適用しないが、全盲の選手が不利にならないように、例えば弱視の選手が故意に場外規定を利用した場合は適用されることもある。

■場外規定って?…柔道の試合は「試合場内」(大会によって、広さに若干の違いあり)で行われ、場外でかけた技は無効となるほか、場外に「出た」と判断されるケースについて取り決めがある。

 

水泳
一般の競泳競技規則に準じて行われているが、障害に応じて、競技規則を一部変更。選手は障害の種類や程度、運動機能によってグループ分けされ、グループごとに競う。

■視覚障害選手による競技…アシスタントが合図棒を使用することが認められている。これはゴールタッチやターンの際の怪我を防ぐための措置。
■下肢に障害がある選手による競技…飛び込みスタートが困難な場合は、水中スタートも可能。

■合図棒って?…視覚障害の選手が壁にぶつからないようにするためのもの。安全な合図棒で身体に触れて壁などが近いことを知らせる。

 

ボート
肢体不自由者・視覚障害者・知的障害者が行うボート競技。ブイで仕切られた1000メートルの6つの直線レーンで行われ、ボートの先端がゴール・ラインに到達した順序で勝敗が決まる。北京大会からパラリンピックの正式競技に加わった。

■種目…舵手付フォア(4人のクルー〈漕手〉と指示を出す1名のコックス〈舵手〉)、固定席ダブルスカル(クルーは2人)、固定席スカル(クルーは1人)がある。
■プレーヤー…障害の程度により、LTA(片下肢・体幹・腕が機能)、TA(体幹・腕が機能)、A(腕のみ機能)の3クラスに分類される。

■スカルって?…小さいオールを1人が2本持って漕ぐボート競技。ちなみに、大きいオールを1人1本持って漕ぐ競技はスウィープ種目と呼ばれる。

 

セーリング
主催者が設定したスタートラインからフィニッシュラインまでの間を、いかに速く『走る』(移動する)かを競い合う。

■コース…台形や三角形にレイアウトされたブイを設置。定められた走行コースを通らなければいけない。
■レース…合計10レースが行われ、各レースの順位によってポイントが加算され、最終順位が決まる。
■種目… 1人乗り2.4mR、2人乗りSKUD18、3人乗りSONARの3つのクラスがある。

■セーリングのクラス分けって?…ユニークな方法が採用されている。出場選手は、障害の内容と程度から「ポイントスコア」を与えられ、障害の程度が低い順に1から7の段階にわかれている。例えば、3人乗りの「ソナー」であれば、3選手の合計が14ポイント以内に収まるように1つのチームを組む。このため、異なる障害の種類の選手が一緒に競技に出場することができ、肢体機能障害2名と視覚障害1名の混成チームなどを結成することも可能。

 

馬術
人と馬が一体となった演技の正確性と芸術性を競い合う。障害に応じて4グレードに分類、各グレードで競技を行う。

■種目…チャンピオンシップス(規定演技)と、フリースタイル(各自で選んだ楽曲に合わせて演技を組み合わせる)の2種目。

■馬のコントロールの仕方って?…通常、足の動きで馬に指示を出し、足で馬の気持ちを感じるのが乗馬とされている。下肢障害者が馬に乗る場合は、手と、障害者の競技では認められている「声」で指示を出す。

 

車いすフェンシング
車いすで行うフェンシング。一般の競技規則に準じて行われる。

■種目…フルーレ(メタルジャケットを着用、胴体の突きのみが得点とみなされる、男女種目)、エペ(上半身の突き、男女種目)、サーベル(上半身の突き、斬る、男子のみ)の3種目。
■用具…ユニフォーム、剣、マスクなど、一般のフェンシングと同じものを使用。車いすはピストに固定される。

■ピストって?…フェンシングの試合場のこと。現在のピストは幅1.5メートルから2メートル、長さ14メートル。

 

自転車
切断、脳性麻痺、視覚障害などの障害をもつ選手による自転車競技。

■種目…バンクを用いる個人追い抜き、タイムトライアル、スプリントと、ロードで行うタイムトライアル、ロードレースがある。
■切断選手や軽度の脳性麻痺選手…一般の競技用自転車を使う。
■脳性麻痺で体幹バランスが悪い選手…3輪自転車を使用。
■視覚障害者…タンデム(2人乗り自転車)を使う。パイロットとともに行う。

■バンクって?…自転車競技場の走路のことで、カーブには、全速力でも速度を落とさず走れるよう角度(カント)が付けられている。ちなみに、会場となるベロドローム(Velodrome)は、「Velo」(ラテン語を語源とするフランス語で「自転車」を意味する)と、「drome」(ラテン語で競技場を意味する)からなる合成語。

 

パワーリフティング
下肢障害者による競技で、種目はベンチプレスのみ。障害の度合いによるグループ分けはなく、体重別に10階級で競技が行われる。

■競技規則…ベンチに横たわった状態でバーベルを持ち上げ、その重さを競う。1回の試技は、ラックからバーベルをはずした状態で静止、審判の合図とともに胸まで降ろし、再びバーベルを押し上げるまでを指す。

■バーベルって?…シャフトと呼ばれる横棒の両端に、プレートと呼ばれる円盤形の重りを付け、固定するスポーツ器具。2.5キロ刻み(大会により異なるケースあり)で増量できるが、1回目の試技より減らすことはできない。なお、ベンチプレスは腕が短い方が挙上に有利と言われ、外国人選手よりリーチ(腕長)の短い選手が多い日本人はこの点で有利とされる。