【征くシリーズ】Holiday

2017年7月20日 No.993

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夏に行きたい パブ13選

夏に行きたい パブ13選

リバーサイド、ビアガーデン、ルーフトップ。
いまの季節に気持ちいいパブをタイプ別にご紹介します!

●征くシリーズ●取材・執筆・写真/本誌編集部

JFC
TK Trading
Centre People
ロンドン東京プロパティ
Dr Ito Clinic
早稲田アカデミー
サカイ引越センター
JOBAロンドン校
Koyanagi
KaitekiTV

[Riverside] リバーサイド

ビール&ピザが好相性 ロンドン東部

Crate Brewery & Pizzeria

同じ「ペールエール」でもカスク(樽内熟成)、
ボトルなど異なるコンディションのものが
用意されているので、
保存法による味の違いを確かめたい
探究心旺盛なビール好きはぜひお試しを。
2012年に元印刷所をリノベーションしてオープンしたブルワリー「Crate」では、ブルワリーにバーを併設し、石窯焼きのピザを提供する。クリスピーに焼かれたピザは、ビールとの相性がぴったりとあって、ロンドナーの関心もビールの美味しさも共にアップ。隣接する運河を挟んだ壁に描かれたグラフィティが若いエネルギーを感じさせる=写真上=一方で、ゆっくりと運河を進むナローボートがのどかな印象を与えてくれる。そのバランスの面白さはイーストロンドンならでは。

Crate Brewery & Pizzeria
Unit 7, Queens Yard, Hackney Wick, E9 5EN
Hackney Wick  http://cratebrewery.com

JEMCA
Kyo Service
J Moriyama
ジャパンサービス
らいすワインショップ
Atelier Theory
奈美デンタルクリニック
Sakura Dental

名物は「ホワイトベイト」 ロンドン南東部

The Trafalgar Tavern

[写真右]パブの前で、テムズ河を行き交う船を
ひとつひとつ検問するかのようにして立つネルソン像。
トラファルガーの海戦から200年を迎えた2005年に建立された。
[写真左上]瀟洒なジョージアン様式の建物は
リスティッド・ビルディングにも指定されている。
2フロアにわたる店内は、
ネルソン提督や船にまつわる絵画で彩られている。
[写真左下]小魚をフライにし、レモンをしぼって食べる
シンプルな1品「Greenwich Whitebait」(7.50ポンド)。
地味な見た目だが、酒の肴にはぴったり。
カティ・サーク駅から旧王立海軍大学の敷地を通り抜けてたどり着く「The Trafalgar Tavern」。ヴィクトリア女王が即位した1837年にオープンし、チャールズ・ディケンズの小説『我らが共通の友』にも登場する。グリニッジで獲れたホワイトベイト(小魚)は、ヴィクトリア朝時代にオシャレな食べ物として知られており、政治家の間では国会休会前にこのパブを訪れ、ホワイトベイトを食すこと(ホワイトベイト・ディナーと呼ばれた)が、恒例行事だった。第一次世界大戦後には海軍上等兵の邸宅として利用されるが、1965年に再びパブとしての営業がスタートした。かつてのグリニッジ名物ホワイトベイトはいまも健在。「クラシック・メニュー」として人気を集める。

The Trafalgar Tavern
Park Row, SE10 9NW
Cutty Sark  www.trafalgartavern.co.uk

広々としたテラスで開放的なパブ・ナイト ロンドン南西部

The Ship

テラス席の料理は
ポップアップ・ストール「BurgerShack」が担当。
左の写真はカーリーな形のポテト付ビーフ・バーガー「The Classic」(14ポンド)。
ワンズワース橋のたもとにある「The Ship」は、橋ができるよりも以前の18世紀後半、船の往来がテムズ河をにぎわしていたころに、近くの波止場を訪れる船乗りらの宿場をかねたパブとしてオープン。19世紀に架橋され、あたりの埠頭は住宅街としての歴史を歩み始めるなど、取り巻く環境は時代とともに変化するも、変わらずパブとして客を迎える。静かに流れるテムズ河に面したテラス席は、海辺の町にいるような開放感を与えてくれ、夜になると地元客でひしめき合う。定期的に開催されるライブ・ミュージックに合わせて盛り上がる様子は「Amazing!」とスタッフも胸を張る。

The Ship
41 Jews Row, Wandsworth, SW18 1TB
Wandsworth Town  www.theship.co.uk

ビートルズゆかり ロンドン西部

The City Barge

[写真上]フットパス沿いのテラス席は大潮の時期に浸水することもあるが、
テムズ河に浮かぶオリバーズ・アイランドやウォーター・スポーツに
興じる人々を眺めながら、ゆっくり食事が楽しめる。
[写真下]「Roast Suffolk Chicken, Chipolata & Stuffing」(14.95ポンド)。
キュー・ブリッジからテムズ河沿いに伸びるフットパス「Strand-on-the-Green」を歩いておよそ10分の場所にある「The City Barge」。ビートルズ主演の映画『Help!』内で、追われるビートルズが逃げ込んだ店として知られ、多くのファンが訪れるが、ロケ地という『肩書き』に甘んじることなく、ガストロ・パブとしても大盛況。パブ定番のサンデー・ローストはもちろん、魚料理も充実。

The City Barge
27 Strand-on-the-Green, Chiswick, W4 3PH
Kew Bridge / Gunnersbury  www.citybargechiswick.com

テムズ河で『川床』体験 ロンドン南東部

The Mayflower

宗教対立が続いていた17世紀の英国で、信仰の自由を求めて米国にわたった清教徒らを乗せた船が近くに停泊していたことにちなんでその名が付けられたパブ「The Mayflower」。パブとしての歴史はもっと古く、1550年ごろからこの地で船乗りたちのノドを潤してきた。流れた月日の長さを感じさせる薄暗い店内は、しっとりと飲むのに最適。一方、晴れた日には、テムズ河に突き出すようにして設けられた『川床』を思わせるデッキへ。パイント・グラスを傾けながら打ち寄せる水の音に耳を澄ませれば、船の汽笛さえ聞こえてきそう。

The Mayflower
117 Rotherhithe Street, Rotherhithe, SE16 4NF
Rotherhithe  www.mayflowerpub.co.uk

[Beer Garden] ビアガーデン

ルーフトップの家庭菜園 ロンドン東部

The Culpeper

階ごとにメニューは少しずつ異なり、ルーフトップでは炭火焼スタイルのタパス風料理を楽しめる。
地元スピタルフィールズで活動した17世紀の植物学者ニコラス・カルペパーからその名を取った「The Culpeper」。4階建てのヴィクトリアン様式のビルで、まず手始めにグランド・フロアにパブを、1stフロアにレストランをオープンしたのが2014年。翌年に最上階ルーフトップに『家庭菜園』バーを設置した。さらに2016年には2ndフロアに5組限定のベッドルームを設けて、ホテル業に乗り出し、現代版のスタイリッシュな「inn(宿泊施設をかねたパブ)」を完成させた。ルーフトップでは、キッチンで使われる野菜が栽培され、ときおりシェフが野菜を摘みに訪れる姿に、食への信頼感が増す。

The Culpeper
40 Commercial Street, E1 6LP
Aldgate East  www.theculpeper.com

ブルワリーでフレッシュな1杯 ロンドン北部

Beavertown Brewery Taproom

2011年に誕生したブルワリー「Beavertown」では、毎週土曜にブルワリーを一般開放し、ビーバータウン自慢のビールを提供する。クラフト・ビール系のパブで引っ張りだこのアメリカン・ペール・エール「Gamma Ray」をはじめ、およそ10種類のフレッシュなビールがサーバーから注がれる。トテナム・ヘールという立地は観光に不向きだが、わざわざ訪れても損はない美味しいビールが味わえる。定期的に入れ替わるフード・ストールもあり。

Beavertown Brewery
Units 17 & 18, Lockwood Industrial Park, Mill Mead Road, Tottenham Hale, N17 9QP
Tottenham Hale  www.beavertownbrewery.co.uk

イーストロンドンの穴場 ロンドン東部

The Crown and Shuttle

[写真上]
カラフルにデコレーションされたガーデンは
楽しいイベント会場のような雰囲気で、心が躍る。
[写真下]
スタッフ一押しの「Bavette Steak Sandwich」(9.50ポンド)。
料理はガーデンに停車中のワゴンで作られる。
バラエティは少ないものの、侮れない美味しさ。
ヴィクトリア朝時代のパブの廃れた佇まいに、何も知らなければ素通りしてもおかしくはない。「The Crown and Shuttle」は1860年代にパブとしてオープン。1990年代にストリップ・バーへと姿を変えたが、2000年に入って閉鎖され、廃墟と化した10数年を経て、また新たにパブとして復活を果たした。昔ながらのパブらしいシャビーさを残しつつモダンにアレンジされた店内と、その奥にはビア・ガーデンが広がる。金融街シティと、流行に敏感な若者に人気のショーディッチの境目という立地で、スーツ姿のビジネスマンから、独自のファッションで個性を発揮するクリエイティブ系の人まで、幅広い層に支持される。

The Crown and Shuttle
226 Shoreditch High Street, E1 6PJ
Shoreditch High Street  www.crownandshuttle.com

藤の木に覆われたガストロ・パブ ロンドン北部

The Albion

エンジェル駅およびハイバリー&イズリントン駅からは徒歩15分弱。ディナータイムおよび週末は予約推奨。
藤の木に覆われたジョージアン様式の建物が目を引くガストロ・パブ「The Albion」。店内へと足を踏み入れると、ダークブラウンのフローリングと木製家具が初めて訪れた人にも懐かしい温もりを感じさせてくれる。この雰囲気と、英メディアで高評価を得る料理のおかげで、イズリントン地区の閑静な住宅地で安定した人気を誇る。店内奥のガーデンでは、存在感のある藤の木が強い日差しを和らげて優しい光を落としてくれ、天気の良い夏の日などは最高に気持ちがいい!

The Albion
10 Thornhill Road, Islington, N1 1HW
Angel  http://the-albion.co.uk

地元民の憩いの場 ロンドン西部

The Grange

控えめな味付けで日本人の口にも合う
「Roast Chicken, Bread Sauce」(15ポンド)。
日曜はサンデー・ローストを楽しむ家族で大にぎわい。
イーリング・コモン駅から徒歩10分弱。公園を突き抜けた場所に位置する「The Grange」は、1871年にオープンして以来、地元民の憩いの場としての役割を担ってきた。絵本に出てきそうな可愛らしいガーデンをはじめ、ダイニング、バー、コンサバトリーなどそれぞれのスペースは、笑顔がチャーミングな看板女将のバーバラさんの愛情がたっぷり注がれ、老若男女が心地よく過ごせる空間となっている。

The Grange
Warwick Road, Ealing, W5 3XH
Ealing Common  www.grangeealing.co.uk

[Rooftop] ルーフトップ

都会の空中庭園 ロンドン西部

The Roof Gardens

ケンジントン・ハイ・ストリートの空中庭園「The Roof Gardens」。保護指定(グレード2)される6000平米の敷地には、スパニッシュ・ガーデン、チューダー・ガーデン、イングリッシュ・ウッドランドなど異なる様式で庭園が整えられている。トレードマークのピンク・フラミンゴが棲息し、インスタ時代の今、ますますの人気者。会員制およびプライベート・イベントが開催される場合を除いて、昼は一般に無料開放され、夜は併設されるレストラン・バー「Babylon」利用者を対象に優雅なひとときを提供する。

The Roof Gardens
99 Kensington High Street, W8 5SA
High Street Kensington  www.virginlimitededition.com/en/the-roof-gardens
入場にあたってはID提示が必須。

スカイラインを一望 ロンドン中心部

Radio Rooftop London

ラム・ベースのシグネチャー・カクテル「Tropical Punch」(14ポンド)=写真下。
バースナックは、チップスやチーズの盛り合わせ、牛ステーキなど(6~14ポンド)。
1922年に英公共放送「BBC」がラジオ放送を開始したのがこのビルだったことが、屋号「Radio Rooftop London」の由来。英建築家ノーマン・フォスターによってデザインされた、ストランドの5つ星ホテル「ME London」の6階に位置し、テラスからは、テムズ河をはじめウェストミンスターの景色が一望できる。デートや記念日におしゃれをしてお出かけを。

Radio Rooftop London
ME London, 336-337 Strand, WC2R 1HA
Temple  http://radiorooftop.com/london

カジュアルなルーフトップ ロンドン中心部

Sisu London

「Crispy Squid」(9ポンド)。
料理は、ミニバーガー、ライスコロッケなどの軽めのラインアップ。
オックスフォード・ストリート沿いにある入り口は少しわかりづらい。
小さな看板を注意深く探してみて。
5つ星ホテル「London Marriott Hotel Park Lane」4階のテラス部分に、毎年夏に登場するルーフトップ・バー。今年はフィンランド語で魂・回復などを意味する「Sisu」の名で、北欧をテーマにデコレーションされた。ホテルのバーといっても気取った雰囲気は一切なし。それどころか、カクテル「ネグローニ」を作ってくれるレトロなマシーンがあるなど、遊び心さえ感じられる。友人とのカジュアルな1杯にもってこい。

Sisu London
535 Oxford Street, W1C 2QW
Marble Arch  www.sisu.london