『ノール(Knole)』

● ケントのセブンオークスにあるノールは、365部屋に52の階段、そして7つの中庭を擁する、イングランドでも最大クラスの大邸宅。ノールとは「緑の丘の上の家」を意味し、実際に1,000エーカー(およそ4平方キロメートル)の緑地に囲まれている。 

●15世紀半ばにはカンタベリー大司教の公邸であったため、広大な敷地内にはチャペルもあり、ヴィータの洗礼式も結婚式もここで行なわれた。1歳半のヴィータが従者に付き添われて初めて歩いたのは中庭のひとつであったし、男の子の遊びが好きだったヴィータは庭でゴルフも楽しんだ。成長したヴィータが崇拝者からロシアの子グマを贈られ、その子グマに鎖をつけて庭を散歩させたこともあったという。

● また、ヴィータによれば、祖父の第2代サックヴィル男爵、ライオネル卿は「変わり者で静かで、何時間も花をみつめているような」庭好きの老人だったそうで、ヴィータの庭づくりへの情熱は祖父から受け継いだものなのかもしれない。

●1日ごとに部屋を取り変えても1年かかるほどの広い邸宅内には、先祖代々の肖像画に古典絵画、豪華な家具や織物など、ナショナル・トラストの管理下にある現在でも『世界に誇れるレベル』という調度品が並んでおり、ジェームズ1世が滞在したことから『キングズ・ルーム』と呼ばれる部屋もある。

● 大広間の間仕切りを見上げればサックヴィル家の紋章がレオパルド(ヒョウ)に支えられる形で堂々と刻まれているなど、どこを見てもサックヴィル家の歴史の偉大さを感じさせるものばかり。ノールとその歴史がヴィータの作品に数多くのインスピレーションを与えたことも納得がいく。なかでも、子供心にヴィータが気に入っていたのは、ボールルームの壁面に帯状に施された男女の人魚の彫り物だったという。

● 人は誰しも自分が生まれ育った家には愛着があるものだが、ノールを見れば、ヴィータの場合ははるかに愛着の度合いが違うであろうことや、なぜ、ヴィータがあれほどまでにノールに執着したのかがわかるだろう。



1709年当時のノールをえがいた図録(『Britannia Illustrata 』より)。
宮殿のような規模を誇る、豪邸であることが良く分かる。

ノール(Knole)
Sevenoaks, Kent TN15 0RP(位置検索の際にはTN13 1HUとご入力を)
Tel: 01732 462100

www.nationaltrust.org.uk/knole

 

Travel Information ※情報は2013年6月17日現在のもの。

Sissinghurst Castle
シシングハースト・キャッスル・ガーデン

Biddenden Road, near Cranbrook, Kent TN17 2AB
Tel: 01580 710 701
www.nationaltrust.org.uk/sissinghurst

開場期間 (2013年) ※12月24・25日はすべて閉場

■庭 
3月1日 ~11月3日 11:00 - 17:30
※11月4日~30日、庭は閉場
12月1日 ~31日 11:00 - 15:30
■ショップ&レストラン
3月1日 ~11月3日 10:30 - 17:30
11月4日 ~12月31日 11:00 - 16:00

入場料 (2013年)

チケット購入時に、庭の見取り図が掲載された
パンフレットを必ずピックアップすること!
大人 10.80ポンド
(ギフト・エイド込みの場合は11.90ポンド)
子供 5.20ポンド
(ギフト・エイド込みの場合は5.80ポンド)



1760年ごろのものとされる、シシングハースト・キャッスルを描いた図。
現在、残っているのは黄色いラインで囲われた部分のみ。
© National Trust Images