快適なマナーハウスの誕生

 

  かわいい長靴もレンタル可能。足元を気にせずに、雨上がりの庭園散歩も楽しめる。 この邸宅がホテルへと生まれ変わったのは、約25年前、1985年のことである。フレデリックとアリスの死後、この館を継いだ2人の娘も亡くなり、ゴッドマン家の血筋は絶えてしまった。やがてこの邸宅はオークションに出され、各所に改築が施された上で、快適なマナーハウス・ホテルとして新たな歩みを迎えたのである。建物の外観はネオ・ジャコビアン様式の重厚感あるカントリーハウスで、拡張されているものの、オリジナルのスタイルにあわせて増築しているのがうかがえる。
バルコニーから望むことができる緩やかな稜線と緑豊かな風景。森林を通り抜け、池や小川沿いを散歩するなど、春の訪れを満喫したい。客室内は、シンプルながら居心地の良い空間が作り出されている。家具や小物などを置きすぎず、ゆとりのあるスペースに心が安らぐ。また各客室の内装はすべて異なり、二つとして同じ部屋はない。バラエティに富むのは客室名も同様で、ブライトン近郊にある有名なV字型の丘陵地帯の名から取られた「Devils Dyke(デビルズ・ダイク)」、北アメリカ原産の蝶の名がつけられた「モナークMonarch(オオカバマダラ)」など、近隣の名跡、あるいは博物学者の邸宅であったことを偲ばせる動植物の名前が用いられている。ちなみに、チャーチルが気に入っていた部屋「Elizabeth Le Bay(エリザベス・ル・ベイ)」とは、椿の種類の名前である。
直線的で重厚感ある造りが特徴のネオ・ジャコビアン様式の中央階段。  さらにユニークなのは、各部屋にはその名にちなんだ写真が数点飾られていること。たとえば「モナーク」の部屋には、鮮やかな蝶々の写真が3点ほど壁に掛けられていた。この写真は地元出身の女性写真家によって撮影されたもので、彼女の夫はかつてサウス・ロッジ・ホテルの造園庭師だったという。
 ところで、先述したように、サウス・ロッジ・ホテルには2つのレストランがある。カメリアは大きな暖炉がしつらえられた、落ち着いた色調の重厚感のあるダイニング・スペース。夏は外のテラスにテーブルチェアが置かれ、緑眩しい自然のなかで食事を楽しむことができる。  一方、パス・レストラン(The Pass Restaurant)は、2008年に開設されたモダンなオープンキッチン・レストランである。料理が出来上がっていく舞台裏のドラマを垣間見ることができ、また目で追っていくうちに食事への期待も高まる。ヘッドシェフを務めるマット・ギリアン Matt Gillian氏は、ミッドサマー・ハウス、ゴードン・ラムジー、そしてヴィンヤードなどのトップ・レストランで修業を重ねた後、このレストランに移ってきたという。最初はこのオープンキッチンに戸惑ったらしいが、今ではゲストと身近に接することができるスタイルを楽しんでいるとのこと。今回取材班が食したのは、このパス・レストランのテイスティング・メニューである。その詳細は、次の頁をご参照いただきたい。
2009年3月に開かれた「G―20」ロンドン・サミットの際には、アリスター・ダーリング元財務大臣ほか、欧州の要人たちも宿泊したこのホテル。英国の春を満喫したい、肌で感じたいという方は、今春、花と緑に囲まれたサウス・ロッジ・ホテルに足を運んでみてはいかがだろうか。小鳥たちののどかなさえずりと新鮮な空気、温かいもてなしのもと、穏やかな時間を満喫できるだろう。


広々としたスペースに心が安らぐ「モナークMonarch」の部屋。バスルームもゆったりと大きく、バスタブでお湯に浸かりながらテレビを観たり、庭園を眺めたりすることもできる。

 

5. Selection of cheese
チーズトロリー

4種類のチーズをクラッカーとともにいただく。向かって右からウォータールーWaterloo, ラグストーンRagstone, オールド・ サセックス・チェダーOlde Sussex Cheddar, バーカム・ブルーBarkham Blue。ソフト→ハードの順に並んでいる。


6. Panacotta, soy sauce, popcorn
パンナコッタ

控えめな甘さのパンナコッタに、カラメルソースと醤油ベースのソースがかけられている。醤油ベースのソースはみたらし団子のたれを思い出させる味で、 好みによって評価が分かれるところ。サクサクとした食感のポップコーンとの組み合わせもよい。


7. Merringue, lemon, tarragon
レモンのタルト

ムースのような軽い食感の甘酸っぱいレモンタルト。大きなメレンゲがたくさん飾られた、 まるでステゴザウルスの姿のような斬新なデザインが印象的なデザート。


ポテトクリスプと一緒に出された3種の塩。向って右から南フランス産、フランス・ブルターニュ産、サセックス産(モルドン)。


もう一つのレストラン「カメリア Camellia Country Kitchen」。「ザ・パス」とは対照的に、暖色で統一された落ち着いた雰囲気をもつ。こちらもAAロゼット3つ星を獲得している。

 

トラベル・インフォメーション  2011年3月17日現在

サウス・ロッジ・ホテル
South Lodge Hotel

Brighton Road, Lower Beeding, Nr Horsham,
West Sussex RH13 6PS
Tel: 01403 891711
www.southlodgehotel.co.uk
www.exclusivehotels.co.uk

アクセス

車:ロンドンからM23を南下。ジャンクション11からA23に入り、Handcross方面へと車を走らせる。 さらにB2110をHorsham方面へと東に進んでいくとLower Beeding Villageに到着。A281を少し走ると、右側にSouth Lodge Hotelの ゲートが見えてくる。所要時間約1時間20分。

宿泊料金

1室1泊の料金
Traditional Guest Room £230
Deluxe Guest Room ---- £260
Exclusive Guest Room ---- £280
Traditional Junior Suite ---- £330
Deluxe Junior Suite ---- £380
Traditional Suite ---- £430
Exclusive Junior Suite ---- £530
Exclusive Suite ---- £630