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名所としての地位を確立

 

 こうして3つの転機を経て市民と共に成長してきた市場だったが、2009年に、新たな問題に直面する。
鉄道高架橋が市場の『頭上』にかけられることが決まり、市場の中心の一部が取り壊され、営業を部分的に中止せざるをえない事態となる。トレーダーやファンの多くは「バラの魅力が失われる」と工事への反対署名運動を行い、およそ2万人がサインしたと言われている。
その陳情活動もむなしく、結局、工事のため市場の中核をなしていた「スリー・クラウン・スクエア」は一時的に閉鎖された。同市場を特徴づけていた、アーチを描くガラス屋根は、反対意見をよそに取り外され、トレーダーらは場所を移し、規模を小さくして営業を行うこととなった。
しかし、バラ・マーケットはこれで終わったわけではなかった。



売り場拡張のため、建設が進められているモダンな増築部分。

 

 高架橋工事の完了を受け、以前「スリー・クラウン・スクエア」を飾っていたガラス屋根と鉄製フレームは、オリジナル素材の90%以上を利用して元の状態が再現され、バラ・マーケットは息を吹き返したのだった。そして2013年の2月14日、ついにリニューアル・オープンが公式に宣言された。
市場の中心には歴史を物語る大きなベルが掲げられている。これはかつてベルの音とともに営業を開始し、またベルの音とともに一日を終えた、活気に満ちた市場の古い伝統を伝えるもので、再開の日、チャールズ皇太子とカミラ夫人の手によって大きく3度鳴らされ、新しい歴史の始まりを告げた。またサザーク自治体により、長い歴史を秘めた記念すべき場所であることを示すブルー・プラークも与えられ、誇らしく飾られている。
「スリー・クラウン・スクエア」内を歩いてみると、通路が広めにデザインされ、買い物客がより利用しやすいよう工夫がなされているのがわかる。さらに現在は、バラ・ハイ・ストリート沿いに、ガラス張りの建物が作られている最中で、売場がさらに拡大される予定。同市場はロンドンの食の名所としてのその存在を確かなものにしようとしている。



改装にあたり新調されたベルと、ブルー・プラーク。