その1 |
キュー・ブリッジ(Kew Bridge)~ピータシャム・ナーサリーズ・カフェ(Petersham Nurseries Café) |
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【所要時間】約2時間(片道) |
まずは、キュー・ブリッジのテムズ河北岸にある、キュー・ブリッジ駅①から出発。キュー・ブリッジ(Kew Bridge)を渡って南岸のキュー・グリーン(Kew Green)側②へ。現在の同橋はエドワード朝時代の1903年に、交通量の増加に対応すべく架けなおされたもの。歩道が広くとられているため、ベビーカーでも通りやすく、立ち止まって橋からの眺めを楽しんだり、写真を撮ったりしやすい。右手には木が生い茂るテムズ河の中洲=写真左=が、左側対岸にはウェストミンスターからハンプトン・コートまでをつなぐボートなどが発着する乗船場、キュー・ピア(Kew Pier)が見える。 |
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橋の南西に広がるキュー・グリーンへ入る。そのまま進めば王立植物園「キュー・ガーデン(Kew Gardens)」のエリザベス・ゲートだが、その手前のフェリー・レーン(Ferry Lane)で右に曲がり、テムズ河沿いの遊歩道、テムズ・パス(Thames Path)へと進む③。そこからは、きわめてシンプル。このパス沿いにリッチモンド(上流にある)へ向かえばOK。 |
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キュー・ガーデン以降も美しい眺めが続く。右手対岸にはサイオン・ハウス(Syon House⑤)=写真左=のあるサイオン・パーク(Syon Park)や、左手に広がるオールド・ディア・パーク(Old Deer Park⑥)など。リッチモンド・ロック(Richmond Lock)=写真下=を過ぎ、3つのアーチからなるトゥイッケナム・ブリッジ(Twickenham Bridge⑦)、電車用の鉄橋が出てきたら、リッチモンドはもうすぐそこだ。なお、リッチモンド・ロックに併設されている歩行者用の通路は、欄干のデザインが美しい。寄り道する価値あり。 |
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リッチモンド・ブリッジ(Richmond Bridge⑧)を過ぎて、舗装された遊歩道を進むと、バクレウチ・ガーデン(Buccleuch Gardens)に出る。ここにはベンチや公衆トイレがあり、河沿いに草地も広がっているので、ちょっと座って休憩するのに便利だ。そして、さらにピータシャム・メドウ(Petersham Meadows⑨)に入ったら、草を食む牛を眺めながらメドウを突っ切り、ピータシャム・ナーサリーズ(Petersham Nurseries Caf⑩)へと向かおう。 【写真左上】ピータシャム・メドウの中を突っ切る道は舗装されているので、悪天候の際にもぬかるむことがない。 【写真左中】リッチモンド・ブリッジ。 【写真左下】ピータシャム・ナーサリーズ・カフェ。 |
ハム・ハウス |
1610年にイングランド王・ジェームズ1世の廷臣、トーマス・ヴァヴァサー卿によって建てられた大邸宅で、現在はナショナル・トラストが管理している。ジェームズ1世の跡を継いだチャールズ1世から、後者の幼馴染だったウィリアム・マリーが借り受け、内部を豪華に改装した。
その後、イングランド内戦によりチャールズ1世が処刑され、邸宅も差し押さえられたが、ウィリアムの娘のエリザベスは聡明だったようで清教徒革命を賢く乗り切り、ハム・ハウスを取り戻し、さらなる改装を加えた。富裕な公爵と再婚したエリザベスは異国調の調度品や絵画などの収集にも熱心だったといわれ、中には1630年代に日本から輸出された漆家具も見られる。
17世紀のスタイルを復刻させた英国式庭園を含め、17世紀の権力や当時の上流社会の流行を顕著に示す建築物とさ
れ、様々な映画の撮影にも使われてきた。最近では、キーラ・ナイトレイ主演の文芸作品『アンナ・カレーニナ(2012)』やディズニー製作のSF『ジョン・カーター』などの撮影が行なわれている。元温室を改装した「オランジェリー・カフェ」では敷地内のキッチン・ガーデンで収穫されたハーブや野菜を豊富に使った料理を提供しており、お茶やランチが楽しめる。また、イースターの4連休には、、毎年「イースター・エッグ・ハント」が行われる(参加費用:子供1人3ポンド)ほか、幽霊にまつわる逸話もあり、年に数回、ゴースト・ツアーが企画されている。
Ham House
Ham Street, Richmond-upon-Thames, TW10 7RS
Tel: 020-8940-1950
www.nationaltrust.org.uk/ham-house
入場料(ピーク期で大人11ポンド/ナショナル・トラストの会員は無料)、開館時間は時期によって異なる(庭だけが公開され、建物は閉館の時期もあり)。