世界を牽引したコットンポリス


マンチェスター中心街のハイストリート(上)と、街を走るメトロリンクのトラム(路面電車、下)。
 マンチェスターという名の起源は、ラテン語の「マムシアムMamuciam」(ケルト語での地名「mamm」をラテン語に読み替えたもので、「胸」「乳房のような丘」という意味だと推測されている)と、古英語の「ケステルceaster」(「町」という意味)を合わせた語とする説が最も有力とされている。1世紀ごろ、古代ローマ帝国の支配下にあった時代、ローマ軍により現在のマンチェスター北部に砦が築かれたのが同地の歴史の始まりとされるが、それまで小さな町に過ぎなかったマンチェスターが急成長するのは、18~19世紀にかけての産業革命期である。
マンチェスターのあるイングランド北西部ランカシャー地方は、英国一降水量が多いともいわれ、湿潤な気候に恵まれており、毛織物工業が盛んであった。しかし、18世紀に入り、インドから大量の綿布が輸入されるようになると、その軽さや着心地のよさ、染めやすさ、また毛織物と比べ安価であったことから、瞬く間に綿製品の人気が英国中に広がっていった。やがて毛織物業をおびやかすまでに需要が拡大したため、英国政府はインド綿布の輸入制限・禁止令を発布。これに対し国民は、「それなら自分たちでつくろう」と木綿の原料となる綿花をインドから輸入し、綿織物業の育成に励んだという。その中心地となったのがマンチェスター、別名「コットンポリスcottonpolis」であった。
18世紀後半には蒸気機関を導入した紡績機(自動織機)が誕生、1830年には貿易港リバプールとマンチェスター間を結ぶ、旅客輸送も兼ねた世界初の蒸気機関車「リバプール&マンチェスター鉄道」も開通。綿織物の生産効率は飛躍的に向上していった。こうしてマンチェスターは英国一の大工業地帯として急速に発展を遂げ、各地から人々が職を求めて集まった結果、1750年代中頃に1万7000人程度だった人口は、1830年代には約18万人、1900年代には70万人以上に膨れ上がったという。これが、マンチェスターが産業革命の拠点、あるいは発祥の地とされる所以である。

2大勢力が凌ぎを削る地


オールド・トラフォードの北スタンド側エントランス。今月23日にはファーガソン監督の像も建立される予定。

 20世紀に入り、恐慌や2度の大戦を経ると綿工業は衰退。紡績工場は次々と閉鎖されていき、マンチェスターは凋落の一途を辿っていった。だが近年、冒頭でも述べたように再び活気を取り戻しつつあるのは、マンチェスターに本拠地を置く2つのサッカークラブがプレミアリーグの覇権争いをするほどの勢いを持ち、世界的な人気を誇っていることと無関係ではないだろう。
「赤い悪魔」として知られるマンUがイングランド・サッカー史上、最も成功を収めているビッグクラブであることを否定する人は、おそらくいないはずだ。アレックス・ファーガソン監督が就任して以来、プレミアリーグでは最多となる12回の優勝、FAカップでも最多の11回優勝という栄光を手にし、世界の頂点を決めるクラブW杯でも、イングランド・チームとして唯一の優勝経験を持っている。
一方、マンCは昨季、絶対王者として君臨してきたマンUの連覇を阻止し、44年ぶりのプレミアリーグ優勝を果たした。また、FAカップの覇者チェルシーとのコミュニティー・シールド戦も制し、快進撃を続けている。
そんな中、これまでのサッカー史を辿ることができる「ナショナル・フットボール・ミュージアム」が、今年7月にマンチェスターにオープンした。同館は2000年にイングランド北西部プレストンに建設されたが、集客力の乏しさが問題視され、FA設立150周年とフットボールリーグ発足125周年という節目を来年迎えるのにあわせ、新天地への移転が決定。そして、今後サッカー界を牽引していく都市としてその移転先に選ばれたのが、マンチェスターであった。
ロンドンにも有名なサッカークラブはいくつもあるが、サッカーだけに限れば、今のところ、マンチェスターはロンドンを凌駕してしまっていると言ってもいいかもしれない。

マンU vs ウィガン戦
チケット入手まで

マンUのクラブ会員以外の人が、公式ウェブサイト(www.manutd.com)でチケットを購入できるようになるのは、会員優先販売が終了した後から。
その流れは、①「Matchday Ticket」から試合日程をチェック→ ②「Buy Ticket」の表示がある試合は購入可能。このボタンをクリック→③「Pick a Seat」で残席を確認。ほとんどの場合、北スタンドの最上階付近(£36~)しか残っていない。席を選んだら「Add to Basket」から会計に進む。ちなみに、車で訪れる場合は「Car Parking」(£9)のチケット購入も忘れずに。

9月4日(火)
11日後に迫ったオールド・トラフォードで行われる15日(土)の対ウィガン・アスレチック戦を観ようと残席をサイトで確認すると、ほぼ売り切れの状態。代わりに、ホスピタリティ・チケットを購入することに。これは当日のプログラムや食事、駐車券などがセットになったVIPパッケージで、数種類の中から、試合前に食事する「Red Cafe Pre-Match、£199」を選択。会計に進むと、なんとVAT20%(£39.80)が追加され、合計額が£238.80に! VATだけでも一試合観戦できる金額。痛い出費におもわず涙…。


9月6日(木)
マンUからチケット発送を知らせるメールが届く。試合日の10日前までに購入すると、チケットは郵送となるのだ。自宅に帰ると、厚さ1.5cmほどの黒い封筒に入ったチケットセット=写真=が届いていた。早い

9月15日(土)
チケットを持ってスタジアムへ。もし配送事故などで事前にチケットを入手できなくても、慌てなくて大丈夫。前もって電話連絡し、試合当日、スタジアムのボックス・オフィスに購入確認のメールと購入時に使ったカードを持参すれば、チケットを再発行してくれる。