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ヘッドシェフの名前をそのまま店名に掲げるレストラン「アダム・シモンズ」は、2010年以降ミシュラン1つ星を獲得し続けている。今回取材班が食したのは、いま流行りの「テイスティング・メニュー」(£82)。味、プレゼンテーションともに、ミシュラン1つ星として十分納得がいく料理であった。2つ星獲得に向けて、今後のさらなるステップアップに期待したい。
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 シャンパンのジュレと クランベリームースオレンジソルベ添え ジュレ、ムース、ソルベの異なる口当たりを楽しめる、やや酸味の強いプレスターター。溶け出した雪の中で咲く椿のような、春の訪れを感じさせる一皿。
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 パンプキン・スープ 「エプスーマ」という手法でフワッと泡立てられたカボチャのスープ。お猪口をかたどったような小さな器がお洒落。
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 コーンウォール産のクラブサラダ Cornish Crab Salad, Avocado Puree, Pink Grapefruit, Pickled Kohlrabi 酸味と苦味のあるピンクグレープフルーツやそのジュレを、ご存知コーンウォール産のクラブに合わせるという、少々意表をつく構成のサラダ。アクセントに添えられたアボカドのピューレが、グレープフルーツの酸味ををまろやかにしている。
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 フォアグラのコンフィ Confit Foie Gras, William Pear Compote, Walnut Puree, Rocket 洋梨のコンポートの酸味とクルミのピューレの甘みが、フォアグラの旨みと深みを一層際立たせた一品。クランチ状のクルミの食感も良いポイントになっていた。
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 ブリルのソテー Pan-Fried Fillet of Brill, Parmesan Macaroni, Salt Baked Celeriac, Granny Smith Apple 高級感とは縁遠いマカロニ、主張の強いパルメザンチーズ、淡白な白身のブリル(カレイの一種)という奇抜な組み合わせに不安がよぎるが、これが意外にも好相性。ブリルの表面はカリッと仕上がり、それでいて身はフワフワ。大満足の一品。
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 シカ肉のロースト Roasted Loin of Venison, Parsnip andBlue Cheese, Caraway Croquettes, Chestnuts 栗、パースニップ、ブルーチーズ、ヒメウイキョウのミニコロッケとシカ肉のローストという、賑やかな顔ぶれが斬新なメイン。口に運んだ瞬間、冬枯れの森の中に鹿が佇んでいるイメージが浮かび、シェフの演出力に脱帽。シカ肉の火の入りは絶妙のロゼ。
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 チーズ各種 Selection of French andEnglish Farmhouse Cheeses 英国とフランス産のチーズ12種がトロリーで運ばれ、そのうち3種をお好みでスライスしてもらう。全12種の説明を受けたが、難しくて覚えきれず…。
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 ブラックベリーのソルベ Blackberry Sorbet チーズの後に「口直し」として挿入されたソルベ。ブラックベリーの酸味をヨーグルトが程よく抑えている。気のきいた一皿。
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 バターミルクと蜂蜜のアイスクリーム Buttermilk and Honey Ice Cream, Clementine, Honey Mousse, Dried Almonds バターミルクと蜂蜜のアイスは、日本人には素朴で懐かしい味。さっぱりとしたクレメンタイン(小型オレンジ)とのコンビネーションも抜群。
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 ミルクチョコレートとモルトのガナッシュ ミルクココア風味のアイスクリーム添え Milk Chocolate and Malt Ganache, Ovaltine Ice Cream, Oat Crunch ガナッシュとは、チョコレートに生クリームやバターなどを加えたもの。シモンズ氏のデザートに最近よく登場するというチューブ型に仕上げられている。奥がガナッシュで、手前はミルクココア風味のアイス。
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