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一般公開30周年を迎えた バッキンガム宮殿を征く
Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023  Photo by Andrew Holt

■ チャールズ国王のロンドンの公邸および執務の場である、バッキンガム宮殿。ヴィクトリア女王が即位して以来、英国君主が暮らす宮殿として代々受け継がれている。今回は、世界中で最もよく知られたこの王宮を征く。

●征くシリーズ●取材・執筆/本誌編集部

1837年6月20日、時の英国王ウィリアム4世が、ウィンザー城で静かに息を引き取った。嫡子の娘2人は生後まもなくに亡くなっていたため、姪のヴィクトリアが18歳で王位を継ぐことになった。ヴィクトリア女王は即位すると、生まれ育ったケンジントン宮殿を後にし、まずセント・ジェームズ宮殿に居を移す。そして3週間あまりが過ぎた7月13日、新しい元首を迎え入れる準備が整ったバッキンガム宮殿に、女王として初めて足を踏み入れた。以後185年の間、代々の英国君主たちが、その治世をこの宮殿で過ごしている。

「バッキンガム」という宮殿名は、イングランド南東部バッキンガムシャーにある最古の町の名前に由来する。アングロ・サクソン人の族長、ブッカの家(Buckingham:hamは住居や村を意味する古英語)があったことが町名の起源で、のちに創設されたのがバッキンガム公爵位だ。

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1705年に同公爵は国王ジェームズ2世の娘を妻に迎えることになり、王都に新たな屋敷を建てようと土地を購入。3年の月日をかけて完成した新居が現在のバッキンガム宮殿の前身で、当時は「バッキンガム・ハウス」と呼ばれていた。そしてバッキンガム公爵家の跡取りがいなくなったことを機に、ジョージ3世が買い取って以降、同宮殿は王室所有となっている。

バッキンガム・ハウスが購入された当時の王宮はセント・ジェームズ宮殿だったが、ジョージ3世が死去し、派手好きな摂政皇太子がジョージ4世として王位に就くと、煌びやかな新王宮を建設しようとバッキンガム・ハウスを大増改築。だが、存命中に完成することはなく、君主として初めて足を踏み入れたのは2代も後のヴィクトリア女王となったのだった。

バッキンガム宮殿の公式諸間(The State Rooms)が一般公開されるようになったのは1992年、ウィンザー城が大火災に見舞われてからである。重度の被害を負った城の修復費用を補うために、翌年から夏季の約2ヵ月間、有料で公開することを故エリザベス女王が決断した。この火災は不運な事故であったが、こうした悲劇が起きなければ、いまだに我々が宮殿内を見学することはできなかったかもしれない。ふりかかった突然の惨事が、奇しくも、国民に支持されるために王室が目指す「開かれた存在」に大きく近づけたと言える。


公開されているのは、玉座の間(The Throne Room)、公式正賓の間(The State Dining Room)、舞踏室(The Ballroom)など、バッキンガム宮殿の中心を成す公式諸間の19室。公式行事で王室メンバーが姿を現すバルコニーのある東正面棟(写真上)からみると、中庭を挟んだ奥の建物にあたり、これは旧バッキンガム・ハウスの部分である。また、各部屋をルートに沿って進んでいけば、最後は園遊会が開かれる庭園へと出る。普段は目にすることのない旧館だけでなく、庭園の眺めを楽しみながら散策することもできるので、見学には2時間程度は見積もっておきたい。

バッキンガム宮殿が一般公開されるようになって、今年でちょうど30年目。1000年近くに及ぶ英王室の歴史に対し、王宮としてのバッキンガム宮殿の歴史は200年にも満たないが、再び王宮が別の場所に移ることはおそらくないだろう。

ロンドンのシンボルであり、「顔」でもある同宮殿に、この夏、あらためて足を運んでみてはいかがだろうか。

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白の応接間/ White Drawing Room

Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023
Photo by Derry Moore

豪奢なシャンデリアが特徴的な、謁見や小規模なパーティーなどで使用される部屋。君主は鏡がはめ込まれたキャビネットに模した隠し扉(写真左端)から先に入室し、ゲストを出迎える。王室の家族写真の撮影場所としてもよく使われる。

玉座の間/ Throne Room

Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023

深紅の絨毯と壁紙が威厳と気品を醸し出す、さまざまな分野で成功を収めた人々を祝うための叙勲式などが開かれる場所。2脚の椅子には、それぞれチャールズ国王(左)とカミラ妃(右)の紋章が刺繍されている。

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絵画ギャラリー/ Picture Gallery

Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023

玉座の間を出た後、舞踏室へと向かう途中の絵画ギャラリー。左右の壁には、ホルバイン、レンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイク、カナレットなどの名画がずらりと飾られ、ロイヤル・コレクションの中でもとくに有名な作品を見ることができる。

青の応接間/ Blue Drawing Room

Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023
Photo by Andrew Holt

建築家ジョン・ナッシュが、ジョージ4世のために設計した列柱を配した部屋。接待用の応接室としてデザインされたもので、現在でもチャールズ国王はこの部屋をレセプション・パーティーなどで使用している。

チャールズ3世&カミラ妃
戴冠記念特別展が開催中

© HUGO BURNAND / ROYAL HOUSEHOLD 2023

今年5月6日にウェストミンスター寺院で行われた、70年ぶりとなったチャールズ3世とカミラ王妃の戴冠式。両陛下が式典で身にまとった衣装や宝飾品が、一般公開にあわせてバッキンガム宮殿で初公開されている。展示されているのは舞踏室(ボール・ルーム)で、同所は戴冠式のリハーサル場としても使用された。

チャールズ国王のローブは曽祖父ジョージ5世と祖父ジョージ6世も戴冠式で着用したものであり、カミラ妃のローブはエリザベス女王のためにつくられたもの。新たに刺繍された国王や王妃のサイファー(紋章)などは、すべて手作業で施されている。また、王妃の胸元を飾ったダイヤモンドのネックレスは、エリザベス女王が自身の戴冠式で身につけた「戴冠式のネックレス」と呼ばれる逸品だ。

そのほか、戴冠式の中でもっとも神聖な儀式とされる「The Anointing(塗油の儀)」で使用された屏風、式典中に夫妻が座っていた椅子、戴冠式への招待状なども特別展示されている。

この機会に、じっくりと鑑賞していただきたい。

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Travel Information ※2023年7月24日現在

Royal Collection Trust / © His Majesty King Charles III 2023
Photo by Andrew Holt
Buckingham Palace
バッキンガム宮殿

London SW1A 1AA
www.rct.uk/visit/buckingham-palace

公開日:9月24日(日)まで ※火・水曜休み
オープン時間:8月/9:30~19:30
       9月/9:30~18:30
入場料:£30(要事前購入)※当日料金は£33


週刊ジャーニー No.1301(2023年7月27日)掲載