RAF博物館前で来館者を出迎える、ハリケーン(手前)とスピットファイア。
RAF博物館はエリザベス女王出席の元、1972年にオープンした。当時の展示機はわずかに36。現在と較べると、その規模はまだ半分にも至っていない。
 その後、英国各地に点在するRAF基地が所有していた航空機などを徐々に獲得、整備を施し、コレクションは増大して行った。
 通常、飛行機が空を飛ぶには翼が必要だ。翼は決して小さくない。遅い飛行機や重い飛行機ならなおさら翼は大きくなる。この当たり前な事実のために、航空博物館は膨大なスペースを必要とする。しかもそれらを全て、屋根付きの空間に展示しようとするのであるから大変な作業だ。
メッサーシュミットMe 262 
ユンカース社のJumo004エンジンを搭載した史上初のジェット戦闘・爆撃機。問題山積のジェット機であったが、後世に残した影響も大きかった。
 切手記念館や昆虫博物館とは違って航空博物館は展示物が増え、見ごたえが増せば増すほど巨大なスペースが必要となる。RAF博物館も開館以来、拡張に拡張を重ね、現在は「マイルストーン・オブ・フライト」「ボマー・ホール」「ヒストリック・ハンガー」「バトル・オブ・ブリテン」「グレアム・ホワイト・ファクトリー」と、5つもの展示場を擁するまでになった。
 開館時に較べて遥かに見応えが増大したRAF博物館であるが、入場料は無料だ。かつては有料であったが、労働党が政権を握り、英国のナショナル・ミュージアム(国営の博物館)全てを無料化したためだ。
 現在は主に国防省から割り当てられる予算に加え、企業からの寄付金等によって運営が賄われている。
 これだけ大規模な博物館の入場に費用が一切かからないのは有難い。一方で、国防省からの予算、ということは税金が使われている訳で、納税者は皆、入場料の先払いをしているのだ、といったひねくれた見方もできる。まあ、捉え方は自由。入場無料という事実さえあれば良い。
アメリカのP-51
通称マスタング。ロールスロイス社製のスーパーマーリンエンジンを搭載し、航続力、高高度性能、運動性全てに優れドイツ軍、日本軍を大いに苦しめた。第二次世界大戦中の最高の単座戦闘機との評価もある。
 「マイルストーン・オブ・フライト」は、その名の通り、航空史上、重要な役割を果たした名機の数々が展示されているホールで、初期の頃の複葉機から第二次世界大戦期の各国の代表的な戦闘機、そして垂直離着陸機ハリヤーやユーロファイター(タイフーン)の試作機までが展示されている。日本の五式戦闘機もここに展示されている。
 「ボマーホール」とは爆撃機を展示するスペースで、アブロ・ランカスターやB―24、B―17、ヴァルカンなど、往年の爆撃機が所狭しと並べられている。
 「ヒストリック・ハンガー」は主に英国の航空産業発展の歴史を現したもので、軍事目的以外の航空機やヘリコプターなども展示されている。この建物は、旧ヘンドン飛行場の格納庫として実際に使われていたものだという。 そして「バトル・オブ・ブリテン・ホール」。壮絶な空の戦いぶりを展示したホールだ。英独両国の戦闘機から爆撃機、ロンドン市民を震え上がらせたというV1、V2ロケットなども展示されている。