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古き良き庶民のリゾート ブラックプールを征く
イングランド北西部のアイリッシュ海に面したランカシャーのリゾート・タウン、ブラックプール。 19世紀の産業革命とともに繁栄したこの地は、数多くの英国映画や日本映画のロケ地にもなり、世界最高峰の社交ダンス競技会が開催されることでも知られる。今回はブラックプール・ダンス・フェスティバルを目前に控えたブラックプールをご紹介しよう。

●ホリデー●取材・執筆・写真/ネイサン弘子・本誌編集部

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産業革命の立役者らを癒した地

ビーチチェア、日光浴、アイスクリームや揚げたてのドーナツにフィッシュ&チップス、ドンキー・ライドに砂遊び…。英国に海外旅行ブームが訪れる1970年代以前、人々はこぞってブリティッシュ・コーストへと足を伸ばし、海辺で束の間の休息を楽しんだ。そんな時代に誰もが憧れ、最も活気に満ちた大規模なリゾート・タウンがブラックプールだ。
この町がリゾート地として脚光を浴びるようになったのは18世紀後半のこと。休日を海辺で過ごすことが流行しはじめたこの頃に、長い海岸線を誇るブラックプールは余暇を過ごすのに絶好の場所として親しまれるようになる。それでも当時は近隣の町からの旅行者がほとんどで、街の目玉といえば、ボーリング場、劇場程度であった。
人口500人(1801年)に満たなかったこの静かな海辺の地を劇的に発展させたのは鉄道の開通だ。1846年に「Talbot Road Station(現在のBlackpool North Station)」が開業すると、1日に数千人が一気に押し寄せるようになる。旅行者の中心は産業革命に沸いたランカシャーの他の都市やヨークシャー、マンチェスターからの労働者。特に、通常は週休1日だった工場や炭鉱が機械メンテナンスのために数日閉鎖されると、労働者たちの行き先は決まってブラックプールというほどだった。
増加の一途を辿る旅行者のあらゆる需要に応えるため、町はホテルや娯楽施設などの建設ラッシュに沸いた。1863年には劇場などを有する桟橋「ノース・ピア」が建設され大人気になると、その成功を受け、労働者層向けの屋外ダンス場を備えた「セントラル・ピア」、中流階級向けに計画された「サウス・ピア」が立て続けに建設される(下記参照)。1878年には劇場やボールルームが入居した屋内型娯楽施設「ウィンター・ガーデンズ」が誕生し、悪天候時にも遊べる場所として人気を博した。その後も19世紀末までに遊園地(現在のプレジャー・ビーチ、下記参照)、海岸線を走るトラム、オペラハウス、パリのエッフェル塔を模したブラックプール・タワー(下記参照)などが次々と完成。海岸に沿って伸びるプロムナード(遊歩道)にはパブやフィッシュ&チップス店、小劇場、占いの館が軒を連ねた。こうして重労働に耐える労働者たちが癒しと娯楽を享受する『庶民のリゾート』へと変貌を遂げたのである。
20世紀に入ってもその勢いは衰えることはなく、英国屈指のリゾート地としての地位を確立。さらに1920年に初めて開催された社交ダンス競技会「ブラックプール・ダンス・フェスティバル」により、その名は世界各地で知られるようになったのだ(下記参照)。当時の記録写真を見ると、ビーチが人で埋め尽くされ、真っ黒に見えるほどだ。
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ヒトラーも憧れた地?

そんな華やかなブラックプールの噂は、第二次世界大戦時にナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラー総統の耳にも届いていたというから驚きだ。2009年2月22日付けの「ザ・テレグラフ」紙(電子版)には、「アドルフ・ヒトラーは、ブラックプールを自身のプレイグラウンドとするためにブラックプールを空爆から守った」との記事が掲載されている。
「アドルフ・ヒトラーの英国侵略計画地図が発見された。この地図からは、爆撃機の製造工場があり、数百の部隊がブラックプールから出発していたにも関わらず、この地が空爆対象にされなかった理由として、戦勝後にここを自身の遊び場として残しておきたかったとの総統の意図が読み取れる。ドイツの軍事基地から回収されたこの地図にはブラックプール・タワーと3つのピアの安全をどのように守るかが明確に示されており、当時サウス・ピアにあった巨大なスイミングプールの存在も説明されている。また、空爆せずにパラシュートで部隊を降下させ、海岸線に沿って行進するという計画も含まれている」
ヒトラーの腹の内は今となっては知る由もないが、もし記述のとおりであったとしたら、ブラックプールの魅力が同地とそこに暮らした人々を空爆から救ったと言えるのかもしれない。

抗うことのできない、時代の流れ

労働者を癒してきたブラックプールであったが、1970年代以降、英国内の他の多くのビーチ・リゾートが同様に経験した衰退期がやってくる。
その大きな理由が、格安航空券や格安海外パッケージ旅行の登場だ。多くの英国人が天候不順で綺麗とは言いがたい冷水が打ち寄せるブリティッシュ・コーストよりも、地中海などの温暖な気候を求め、こぞって海外旅行へ出かけるようになったのだ。追い討ちをかけるようにブラックプールの繁栄を支えた炭鉱や繊維工場が相次いで閉鎖。『労働者のリゾート地』として観光業に依存してきたこの地は、瞬く間にかつての栄華を失ってしまう。
過剰供給となったホテルは価格競争を余儀なくされ、プロムナードから一歩裏通りに入ると、シャッターを下ろしたまま次の経営者が現れるのをじっと待つ店が日を追うごとに増えていった。そして多くの英国人からは、「格安海外旅行にさえ行く経済的余裕がない人が休暇を過ごす時代遅れのリゾート地」「ヘン・パーティーやスタッグ・ナイトの若者が安酒で泥酔し、安値のB&Bに宿泊しながら馬鹿騒ぎを繰り広げる場所」とのレッテルを貼られるようになってしまったのだ。

ブラックプールは死なない

縁あってこの地に足を運ぶ機会が多い筆者のブラックプールの第一印象は正直に言って、「街全体が古ぼけたアミューズメント・パークのよう」というものであった。そう言うと、まだ訪れたことのない人をがっかりさせてしまうかもしれない。だが訪れる度にブラックプールの新たな一面を発見し、次第に町に漂うレトロ感を心地よく感じるようになったのだ。ひょっとすると同じように感じる人は意外と多いのかもしれない。繁栄と衰退を経た今、実際に明るい話題も聞こえてくる。2016年の旅行者は前年を上回る1800万人以上にのぼり、旅行者満足度は86パーセントから89パーセントに上昇。週末や学校の休暇シーズンともなれば、プロムナードの賑やかさと遊園地から聞こえる絶叫は今も健在だ。
年季の入った遊技場は最新のゲームから、博物館に保存されていてもおかしくないような古いゲームまで取り揃え、老若男女が興奮する姿を見ているだけで楽しい。店先に飾られるマスコットや看板の古臭さは、むしろかわいらしく、写真を撮り始めたらきりがないほどだ。
2010年以降プロムナードは改修され、パブリック・アート作品が点在するより広々とした遊歩道となった。ブラックプール・タワーでは2011年に展望台が再オープンし、今年も新たなミニ・ゴルフが登場するなど進化を続けている。

毎年恒例の光の祭典「ブラックプール・イルミネーションズ」。今年は8月31日~11月4日。© VisitBlackpool
1879年に始まったブラックプールが眩いライトで彩られるブラックプール・イルミネーションズは現在も続き、期間中に車を通行止めにしてイルミネーションの下を自転車で走行する企画も人気だ。
1996年に初めて行われたパンク・ロック・フェスティバル「Holidays in the Sun」は、街中がモヒカンや革ジャンのパンク・ファンで溢れる一大イベント。2007年以降、「リベリオン・フェスティバル(Rebellion Festival)」へと改称し、パンク・ロックとオルタナティブ・ロックの祭典として町中が盛り上がる(今年も8月に開催予定)。
1909年に英国で初めて催された英空軍によるオフィシャル・エアー・ショーは、今年も8月に予定されている。曲芸飛行隊レッド・アローからクラシック飛行機までの、迫力のショーを海岸から無料で見ることができる。
開放的な雰囲気のもと、誰もがとにかく楽しむことだけを目的として訪れ、初めて訪れる者をもノスタルジックな気分にさせてくれるブラックプール。産業革命を支えた労働者らに癒しを与えたこの『古き良きブリティッシュ・コースト』には、そのパワーが今も宿っているような気がしてならない。

ブラックプールのレトロな風景

インスタ映えで人気再熱⁉

「#portraitofblackpool #documentingblackpool #documentingbritain」のハッシュタグをつけ、インスタグラムでブラックプールの写真を公開し、人気を呼んでいる写真家がいる。ブラックプールで生まれ育ったドーン・マンダー(www.instagram.com/dmanderphotography)さんだ。
マンダーさんのアカウントには、きらびやかなプロムナードや美しい夕焼けなどの一般的な『インスタ映え』とは一線を画す写真が並ぶ。裏通りの寂れたカフェ、閉鎖されたダンスホール、B&B、味のある顔をした老人、酔っ払い、ド派手なネオンがきらめく夕景…。リアルなブラックプールの姿を捉えたそれらの光景は薄寂しいのだが、実に『絵』になっているのだ。
「ガーディアン」紙による「ブラックプールのビーチの喜び:海辺のノスタルジアとネグレクト」と題した記事の中で、マンダーさんは「私はブラックプールが大好きです。ですが、経済の後退によって荒廃した街を若返らせるためには膨大な予算をつぎ込む必要があります。特に海岸沿いのプロムナードから離れた地域は長い間放置され閑散とし、不況にあえいでいます。私が写真で表現しようとしているようなグラマラスでキッチュな魅力を取り戻して欲しいのです」と語る。マンダーさんがカメラに捉える廃墟や古ぼけたブラックプールの光景に惹かれたインスタグラム世代の旅行者が同地を訪れたなら、マンダーさんの写真家冥利につきるのかもしれない。

ブラックプールで『絵』になるレトロ写真を撮影してみた。

ブラックプールの名を世界に広めた

ブラックプール ダンス・フェスティバル

今年も5月24日から熱い戦いが繰り広げられる。世界各地から集まった参加者の情熱溢れるパフォーマンスをご覧あれ!

北イングランドの片隅にあるこのビーチ・リゾートの名を世界に知らしめている、社交ダンスの競技会「ブラックプール・ダンス・フェスティバル(Blackpool Dance Festival)」が、今年もまもなく始まる。
毎年5月下旬から9日間に渡り開催され、スタンダード・ダンスとラテン・ダンスを網羅する同競技会は、1920年に開始されて以来2018年で第93回を迎える。初回から現在まで変わらず会場となっているのはブラックプール・タワーに程近い、1878年オープンの複合娯楽施設「ウィンター・ガーデンズ(Winter Gardens)」にある「エンプレス・ボールルーム(The Empress Ballroom)」だ。
社交ダンスは民族ダンスを起源とする。12世紀頃より王侯貴族たちに嗜まれてきたラウンドダンスと呼ばれる、カップルたちが並んで抱き合わずに踊るダンスが、18世紀後半になると男女が向かい合い手を取り合って踊る形式へと変化。これが社交ダンスの始まりとされている。のちに宮廷において優雅なワルツが流行し、19世紀のヴィクトリア女王もワルツの愛好者であった。20世紀になると英国で5種のスタンダード(ワルツ、タンゴ、スロー・フォックストロット、クイックステップ、ヴィニーズ・ワルツ)、5種のラテン(ルンバ、チャチャチャ、サンバ、パソ・ドブレ、ジャイブ)という競技ダンス種目が次第に確立していった。
こうして英国で盛り上がりを見せていった競技ダンスに当時目をつけたのが、英国最大級の劇場、ボールルーム、イベント・スペースを有するウィンター・ガーデンズの音楽監督を務めていたハリー・ウッド、または、当時ブラックプールで音楽出版社を営んでいたネルソン・シャープルズとされている。

開催当初は英国北部の選手を対象にした競技会であったが、のちに英国全土の選手が参加する大会へと規模を拡大し、1950年代になると外国からの参加者も増加の一途を辿る。2017年には日本を含む世界61ヵ国から2970名ものプロ・アマ選手が参加する、世界最高峰のダンス・フェスティバルへと成長したのだ。
日本においてブラックプールと社交ダンスに光を当てたのは、何といっても1996年公開の周防正行監督による日本映画「Shall we ダンス?」だろう。駅前の社交ダンス教室の講師に一目惚れしたサラリーマンが社交ダンスに挑戦する姿をいきいきとユーモアたっぷりに描くと、それまで「古臭い」「怪しげ」との印象があった社交ダンスのイメージを払拭。芸能人が社交ダンスに挑戦するテレビ番組などが制作され人気を呼ぶなど、社交ダンスブームが巻き起こった。映画のオープニングとエンディングは、ブラックプール・タワー・ボールルームで撮影されている(下記参照)。
ブラックプールが1年で最も世界からの注目を浴びるブラックプール・ダンス・フェスティバル。一流ダンサーたちの優雅でキレのあるステップと熱い戦いを目の当たりにしに出かけてみてはいかがだろうか。

Blackpool Dance Festival 2018
開催期間:5月24日(木)~6月1日(金)
会場:The Winter Gardens
Blackpool, Lancashire, FY1 1HW
www.blackpooldancefestival.com
チケット購入は通常、前年夏頃から受付が始まる。詳しくは上記ウェブサイトにて。

過去のフェスティバルの模様

© DSI London

大人も子供も楽しめる2.6km
ゴールデン・マイルで遊び倒す!

海岸線にそって整備されたプロムナードの中で、ノース・ピアからサウス・ピアを結ぶ2.6キロは「ゴールデン・マイル」と呼ばれ、アミューズメント施設が並ぶ最も賑やかな区間だ。主な施設を紹介しよう。
いくつかの施設の入場券を組み合わせたお得なチケットや、オンライン割引チケットなどあり。事前購入がお得。
www.visitblackpool.com

セントラル・ピアから見たブラックプール・タワーとホットドック屋さんのマスコット。このレトロさがいかにもブラックプールらしい。


ブラックプール・タワー
Blackpool Tower (Map①)
▶The Blackpool Tower Eye…タワー上部の展望台。上に向かう前に、まずは風や水が噴射される4Dシネマでカモメ目線の映像を堪能。その後、エレベーターで一気に展望台へ。バルコニーにある、タワー直下の街並みが見えるガラス張りの床=写真丸内=はスリル満点。さらに上階に進むと、屋外展望台から海岸線を一望できる。

タワー展望台から望む海岸線。遠くまで見渡せる。

入場料を払わなくても誰でも入れるスポットが3階部分にあるカフェ。見晴らしがいいので、ちょっと休憩するのにおすすめ!
▶The Blackpool Tower Circus… 1894年のオープン以来、いつの時代も観客を驚かせ、楽しませてきた伝統的なサーカス。会場に足を踏み入れると、まず目を見張るのがその豪華さ。真紅のベルベットで覆われた座席、黄金に輝く彫刻が施された柱や天井に、19世紀の栄華をしのぶことができる。ムーキー&ミスター・ブーの名物コメディや、世界各地から集結したパフォーマーによる迫力のアクロバットが、至近距離で繰り広げられる。

豪華な内装に囲まれて披露されるサーカス。
▶The Blackpool Tower Ballroom… サーカスと同年にオープンしたボールルーム。豪華な装飾が施された高い天井、輝くシャンデリア、壮麗なバルコニー、磨き上げられた床に思わず息を呑んでしまう。ステージ上ではドイツの「ウーリッツァー(wurlitzer)」社の電子オルガンの生演奏が披露され、ダンサーらがフロアで優雅に体を揺らす光景は平和そのもの(誰でも踊ることができる)。ゴージャスな雰囲気の中でダンスを見ているだけで夢見心地になるが、筆者はホールを取り囲むように並べられたテーブルで、アフタヌーン・ティーを楽しみながらダンスを見学。忘れられない体験となった。大ヒット日本映画「Shall we ダンス?」のロケ地でもあり、近年ではBBCの人気番組「Strictly Come Dancing」の会場としても注目を浴びている。

ボールルームで踊れば、気分は「Shall we ダンス?」。
▶The Blackpool Tower Dungeon… 血なまぐさい歴史を紹介する「ロンドン・ダンジョン」の姉妹施設。地元ランカシャーとヨークシャーによる中世の戦い「薔薇戦争」を題材にしたゾーンもあり。
▶Jungle Jim's Indoor Play… 子供用室内ソフト・プレイ・エリア。幼い子供も安心して遊ばせることができ、雨が降っても思い切り体を動かすことができる。
▶Dino Mini Golf… 今年オープンしたばかりの恐竜をテーマにした9ホールのミニ・ゴルフ場。親子でゴルフ・デビューはいかが?

The Promenade, Blackpool, FY1 4BJ
チケット:それぞれの単独入場券とセット入場券あり。オンライン割引あり
www.theblackpooltower.com

ブラックプール・ピア
Blackpool Pier(Map②)

英国のビーチ・リゾートに欠かせないピア(桟橋)は、大海原に囲まれながら楽しいひと時を過ごせる格好の場所。北から「North Pier」「Central Pier」「South Pier」の3つのピアがあり、そのどれもがレトロな雰囲気に溢れている。1863年にオープンし、指定建造物グレードⅡに登録されている「North Pier」=写真=は、夕焼けの名所として名高い。1868年にオープンした「Central Pier」は、観覧車がトレードマーク。桟橋の上にはゲームセンター、ショー・バー(showbar)、乗り物などのアトラクションが所狭しと並んでいる。1893年にノースとセントラルよりも少し『高級なピア』としてオープンした「South Pier」は、現在はゲームセンターと、ローラーコースターや逆バンジーなどのスリル満点の乗り物を多く取り揃えている。
ブラックプール・プレジャービーチ
Blackpool Pleasure Beach(Map③)

ブラックプール・タワーに並ぶ同地のランドマーク的存在の遊園地。1896年の創業以来、同一家族によって経営が受け継がれている。英国の遊園地のなかで最も多い入場者数を誇り、旅行情報サイト「トリップ・アドバイザー」による人気投票で、英国で2番目に人気のアミューズメント・パークに選ばれている。
自慢は、英国一の高さ(65メートル)のローラーコースター「Big One」、2018年5月下旬にオープン予定の国内最速(最高時速89キロ)のローラーコースター「Icon」、1935年に完成した木製コースターで2台の車両が併走してゴールを競う「Grand National」を含む10のコースター群。一方、子供向けテレビ・ネットワーク「Nickelodeon」とコラボした「Nickelodeon Land」には、「スポンジ・ボブ」などの人気キャラクターをテーマにしたアトラクションが並び、子供の心をがっしりつかむ。最新鋭からレトロまで、新旧の幅広い乗り物を揃え、さながら遊園地の博物館!
まもなく登場予定の最新ローラーコースター「Icon」を動画でチェック!

© Blackpool Pleasure Beach

Ocean Boulevard, Promenade Blackpool, Lancashire, FY4 1EZ
2018年開園期間:~11月4日まで(冬季は2月まで休園)
チケット:大人39ポンド、3~11歳33ポンド ※曜日・時期により異なる
www.blackpoolpleasurebeach.com

サンドキャッスル・ウォーターパーク
Sandcastle Waterpark(Map④)

国内最大級の室内ウォーターパーク。ミステリアスな古代アステカ文明をテーマに、暗闇の渓谷を模したコースをすべり降りる「Aztec Falls」や、水圧で滑り台を上がる珍しい仕掛けがある全長250メートルの「Masterblaster」など18のライドをはじめ、波の出るプールや流れるプール、子供用のミニ・スライドなど、1日たっぷり遊べる。 天候不順なブラックプールで嬉しい存在だ。

© Sandcastle Waterpark

South Beach, Blackpool, Lancashire, FY4 1BB
チケット:12歳以上16.50ポンド、3~11歳以下13ポンド
www.sandcastle-waterpark.co.uk

シー・ライフ・ブラックプール
SEA LIFE Blackpool(Map⑤)
英国内に13あるお馴染みの水族館。工夫を凝らした水槽展示のほか、サメのプールで泳ぐことができる「Snorkel with Sharks」(別料金)や、熱帯雨林の昆虫や生き物をテーマにした「Rainforest Ranger Table」など、見るだけでなく体験できるアトラクションやイベントが盛りだくさん!

© BlackpoolSEALIFE

Promenade, Blackpool, Lancashire, FY1 5AA
チケット:15歳以上16.50ポンド、3~14歳13.50ポンド、2歳以下無料
www.visitsealife.com/blackpool

マダム・タッソーズ ブラックプール
Madame Tussauds Blackpool(Map⑥)
英国で誕生した蝋人形館「マダム・タッソー」は、意外にも国内にはロンドンとブラックプールの2館のみ。ロイヤル・ファミリーからテレビスター、トランプ米大統領まで、蝋人形が訪問者を迎えてくれる。
87-89 Promenade, Blackpool, Lancashire, FY1 5AA
チケット:15歳以上18ポンド、3~14歳15ポンド
www.madametussauds.com/blackpool

Travel Information

2018年4月30日現在

アクセス
…ロンドン中心部からM40でバーミンガムまで行き、さらにM6でマンチェスターを経由してブラックプールへ。約250マイル、所要約4時間30分。
列車…ユーストン駅からナショナル・レールでプレストン(Preston)駅に行き、ノーザン・レイルウェイに乗り換えてブラックプール・ノース(Blackpool North)駅へ。3~4時間(本数は少ないが直行もあり)。
Special Thanks to VisitBlackpool www.visitblackpool.com

本誌制作の動画「ブラックプールでShall we ダンス?」をぜひご覧ください。

宿泊は隣町セント・アンズがおすすめ!

喧騒のブラックプールよりもう少し落ち着いた雰囲気の場所に宿泊したければ、南に位置するセント・アンズ(St. Annes)がお勧め。ブラックプール同様長い海岸線が続き、中規模の洒落たブティック・ホテルが並ぶ。プロムナードにはプレイグラウンドやミニ・トレイン、パディング・プールもあり家族連れに人気だ。 さらに、その隣のリザム(Lytham)は瀟洒な家々や洒落たカフェ、レストランが並びポッシュな印象。それぞれ車なら5分程度の距離で、バスでも容易に移動できる。

週刊ジャーニー No.1033(2018年5月3日)掲載