「カンタベリー物語」傑作3選 あらすじを紹介!
美姫をめぐって争う騎士の話/The Knight's Tale
アテネの君主テーセウスは、北東に位置するテーベでの戦いの末、2人の傷ついた騎士、アルシーテとパラモンを捕らえる。彼らは敵の王族出身だったため、自国に連れて帰り、生涯、牢の中で暮らすことを命ずる。
牢獄で絶望に暮れる中、ある日、塔の窓から王妃の妹の姿を目撃。あまりの美しさに一目ぼれした2人は、互いに敵対心を燃やす。やがて、ひょんなことから出獄の許しを得たアルシーテは「アテネに一歩でも足を踏み入れれば打ち首にする」という約束をテーセウスと交わしたにも関わらず、素性を隠して宮廷に戻り、姫君の小姓となる。一方、塔に閉じ込められたままのパラモンは叶わぬ恋心と悲しみに気も狂わんばかりとなり、ついに脱獄を図るが…。
騙されて樽の中で暮らす夫 粉ひき屋の話/The Miller Tale
下宿屋を営む年老いた大工には、若く美しい妻がいた。嫉妬深い大工は、妻に悪い虫がつかないようにと日夜、気が気ではないが、彼らの家に下宿していたオックスフォード大学の学生は大工の目を盗んで若妻にちょっかいを出すようになる。
やがて意気投合した学生と若妻は、大工に内緒で一晩をともに過ごすために「神のお告げ」と称し、大工にとんでもない嘘をつく。計画はうまく言った様に見えたが、そこにもうひとり、若妻に夢中の教会書記が現われて…。
真っ赤な嘘に翻弄される哀れな老大工と、恋に狂う「第3の男」に屈辱のしっぺ返しをされる学生。一笑に付すには痛すぎる、あきれ話。
悪党3人による金儲け 免罪符売りの話/The Pardoner's Tale
フランドルに住む大酒飲みの悪党3人が、人間に「死」をもたらす死神退治に出かけ、大金を発見する。
祝宴を開くために、一番年下の男に酒を買いに行かせ、その間、残りの2人は自分たちだけで大金を山分けしようと、その男の殺害を企む。一方、その年下の男も財宝を独り占めしようと、2人の毒殺を計画していて…。
教会に寄付をした人に与えられる「免罪符」(死後天国に行けるという保証書のようなもの)を売る免罪符売りらしい、欲を出しすぎた人間に下る天罰についての話。
Travel Information (2019年4月16日現在)
カンタベリーへの行き方 アクセス電車:カンタベリーには、Canterbury West駅とCanterbury East駅がある。Westの方がロンドンから行くと手前にあるが、中心街に出るにはEastで降りる方が便利だ。ロンドン・ヴィクトリア駅から所要1時間半ほど。
長距離バス:ロンドン・ヴィクトリア・コーチ・ステーションから所要1時間45分ほど。交通事情にもよるが、電車を利用するのとそれほど時間は変わらない。カンタベリーのバス停は中心街のすぐそばにあるので、かなり便利。
車:A2を南下し、ジャンクション1でM2に入り、ジャンクション7で再びA2に入る。市壁の回りはラウンド・アバウトがいくつも続き、中心部へ入るところを見逃しがちになるので要注意。所要1時間半ほど。
「カンタベリー物語」を楽しむならココを訪れよう!
The Canterbury Tales
St Margaret's Street, Canterbury, Kent CT1 2TG
Tel: 01227 696002
www.canterburytales.org.uk
営業時間:
4~8月10:00~17:00
9~3月10:00~16:00
(11~3月は水~日曜のみ営業)
料金 :
大人 £10.95
子ども £8.95
「カンタベリー物語」の世界を体験できるアトラクション。旅の始まりは物語同様、「陣羽織亭」から。ヘッドホン片手に中世の町並みを歩けば、巡礼者のひとりになった気分で物語の世界を堪能できる。日本語ガイドもあるのでご心配なく!
週刊ジャーニー No.1082(2019年4月18日)掲載