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ワインにまつわる今月のトピック:アルコール度の低いワイン

肝臓を休めることにトライしたい1月

新年会などがあり、1月にもアルコールを楽しむ機会が多い日本に比べ、11月末からフェスティブ・シーズンで盛り上がる英国では元日を除き、1月は集まって祝う機会がぐっと減る。そんな1月に生まれた言葉に「Dry January」がある。これは12月に飲みすぎた身体をいたわって、1月はアルコール・フリーにしようじゃないかという考え(慈善団体「Alcohol Change UK」が2013年に提唱)を表した言葉だ。日本でも「Dry January」キャンペーンが、渋谷のパルコによって2022年から始まっているとのこと。ノン=アルコールという意味では、休肝日を定めて肝臓を休める人が日本では増えているとされ、一部そういう志向があるものの、ワインはおいしいし、何といっても食欲を誘う。アルコールの量を減らすことは健康を維持するためにもよいと分かっていても、ひと月間、アルコールを抜くのはなかなか難しい。そこで、今号では昨今しばしば耳にするノン・アルコール・ワインnon alcohol wine、アルコール・フリー・ワインAlcohol Free Wine、ディ=アルコライズド・ワインde-alcoholised wine、ロー・アルコール・ワインlow alcohol wineのうち、ノン・アルコール・ワインとロー・アルコール・ワインについて書いてみる。

高アルコール度のワインが増えた反動

ロー・アルコール・ワインという名前を聞くようになったのはここ数年。1980年代までワインといえば主に欧州産で、その頃のほとんどのワインのアルコール度は12.5%だった。それが今では、気候が温暖なニューワールドで栽培される糖分の高いブドウで造られた、果実香味豊かな高アルコール度のワインが消費者を魅了したことから(そして地球温暖化のせいもあるだろうが)、オールド・ワールドでもアルコール度の高いワインが造られるようになった。中には14.5%のものまである。14.5%とラベルに書かれるということは、そのワインのアルコール度は14~15%を意味する。そもそもワイン酵母は、15%のアルコールまでしか生み出せないものなのだが、上限に近い数値ということになる。

低アルコール度のワインを造るための工夫

さて、アルコール度の高いワインとは逆をいくロー・アルコール・ワインに目を向けてみよう。どうやってアルコールを除いているのかというと、普通のワイン同様、収穫したブドウ果実を発酵させてアルコール飲料にし、それからアルコールを除く方法が多く、主として次の3つの方法がある。
【減圧蒸留法】水の沸点が100℃であるのに対してアルコール(エタノール)の沸点は78.37℃。ワインを例えば80℃に熱すれば、エタノールだけが蒸発しアルコール度が下がる。しかし、果実香味等が失われてしまうため、減圧した環境で沸点を下げる工夫がなされている。
【減逆浸透膜法】特定の物質だけを透過させる半透膜を使ってアルコールを分離させる方法。
【揮発性物質回収法】タンク内で遠心力を使って香りとアルコールを分離させ、アルコールを除去(揮発)する方法。
このほか、糖分の低いぶどうを使ったり(早摘み)、低いアルコールしか作らないワイン酵母を使用したり、または発酵を途中で止めたりする方法もある。

仕上がりレベルの高いアルコール度1%以下のワイン

ところで、ノン・アルコール・ワインだが、これはアルコールが1%以下ということで必ずしもゼロとは限らない。また、アルコールが低いとはいえども大人用で、ジュースとは異なり食事によく合うように造られている。お勧めしたいワインとして、スペインの有名なワイン・メーカー、トーレスTorres社が造る白ワインのナチュレオ・マスカットNatureo Muscat (ウェイトローズWaitroseにて6.30ポンド)=写真=と赤ワインのナチュレオ・レッドNatureo Red(ウェイトローズにて6.30ポンド)を挙げておく。ナチュレオ・マスカットは、果実香味のソフトな甘さが感じられ、精妙なバランスを備えた芳香なワインで、甲殻類を使ったパスタによく合う。また、ザクロや赤スグリを感じさせるナチュレオ・レッドはスパゲッティ・ボロネーズやラザーニャによく合う。 さらに、発泡性ワインとしては、ドイツ産リースリング種から造るライツ・アインツ、ツヴァイ、ゼロ・スパークリング・リースリングLeitz, Eins Zwei Zero Sparkling Riesling (ジェロボームズJeroboams/ウェイトローズ・セラー Waitrose Cellarで9.99ポンド)。「Eins」「 Zwei」「 Zero」とはドイツ語で1、2、0という意味。柑橘類やリンゴを思わせるフレッシュで爽やかなワインで、サラダと合わせたりアペリティフとして供したりして楽しんでほしい。

週刊ジャーニー No.1324(2024年1月11日)掲載

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。Ordre des Coteaux de Champagne団員。国際日本酒利き酒師。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
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