ワインにまつわる今月のトピック㉚ 夏のフルーツに合うワイン
夏のフルーツをたっぷり使ったデザート
この原稿が掲載されるのは、ウィンブルドンも決勝間近となり、今年の優勝は誰かという話題で大いに盛り上がっている頃。ウィンブルドンに欠かせないフルーツといえばイチゴだが、この時期、イチゴに加えてラズベリーなどの夏のフルーツが旬を迎える。筆者は犬彦さんに負けないほど犬好きなのだが、先週、我が家で飼っている犬の散歩の途中でちょいちょい会うご近所さん18名をご招待し、シャンパーニュ&サンドイッチ+デザートというカジュアルなホーム・パーティーを催した。筆者が作った2種類のデザートのうち、ウェイトローズWaitroseのレシピを少しアレンジしたラズベリー&オレンジ・チーズケーキRaspberry & orange cheesecakeが大人気で、シャンパーニュとの相性も抜群だった。そのデザートをご紹介しよう。
【用意するもの】
*底がはずれるタイプの円形22センチ(20センチでも可)のケーキ型
【材料】
〈チーズ・ミックス〉ソフト・チーズ560g、コンデンス・ミルク350g、2個分のオレンジ・ゼスト、1個分のオレンジ汁(約80g)、ダブル・クリーム150g、粉状ゼラチン12g
〈ベース〉無塩バター70g(その他に、ケーキ型の内側に塗るバター少々)、ダイジェスティブ・ビスケット200g(細かくつぶしておく)
〈トッピング〉ラズベリー150g、レモン・ジュース30ml、カスター・シュガー30ml、粉状ゼラチン6g
【作り方】
① ケーキ型の内側にバターを塗り、パーチメント紙を底と枠の内側に張り付ける。
② 〈ベース〉のバターとビスケットを混ぜ合わせたものを、ケーキ型の底に平らになるようにしきつめ、強くおさえる。冷蔵庫で冷やしておく。
③ ボウルにソフト・チーズ、コンデンス・ミルク、オレンジ・ゼスト1/2個分、ダブル・クリームを入れてよく混ぜる。
④ オレンジ汁とゼラチンを小さい鍋に入れ、ゼラチンがよく溶けるまで加熱する。ゼラチンが溶けたら火からおろして冷ます。
⑤ 冷ました④を③に少しずつ加えてよく混ぜ合わせる。これを②の上に流し入れ、表面を平らにしてから冷蔵庫で少なくとも1時間冷やす。
⑥ 250ミリリットルの湯を鍋に入れる。10粒ほどのラズベリーを残し、お湯の入った鍋の中に、残りのラズベリー、レモン汁、カスター・シュガーを入れて軽く熱する。ラズベリーをつぶしてから種などを除くために濾す。ゼラチンを加えて溶かし、粗熱がとれたら冷蔵庫内でしっかり冷やし固めた⑤のチーズ・ミックスの上に流す。
⑦ 冷蔵庫で2時間以上冷やし、供する前にケーキ型から外し、残しておいたラズベリーとオレンジ・ゼストを上に散らす。
氷を入れて楽しむシャンパーニュ
ところで、数年前からフランス・パリではシャンパーニュに氷を入れて飲むのが流行している。その場合、シャンパーニュ用の細長いフルート型のグラスではなく、白ワイン用の幅の広いグラスを使う。このようなシャンパーニュの代表的なものに、モエ=エ=シャンドンMoët-et-Chandonのアイス・アンぺリアル Ice Impérial(小売り価格45~50ポンド)=写真左=とアイス・アンぺリアル・ロゼIce Impérial Rosé=同右=がある(50~55ポンド)。半甘口で、ラズベリーやイチゴを使った甘いデザートのお供には最高のマリアージュだ。あるいは、ランソン・ル・ロゼLanson Le Rosé(35~45ポンド)や、プロセッコ・ロゼ(10~15ポンド)も、こうしたデザートに合わせるのにお薦め。さわやかな夏のひと時をぜひ楽しんでいただきたい。
週刊ジャーニー No.1299(2023年7月13日)掲載