
ワインにまつわる今月のトピック㉚ バレンタイン・デーにお薦めのワイン
ドイツ人が造った「愛」のシャンパーニュ
水仙が土から顔を出し、春の訪れがもうすぐという2月。14日はご承知のとおりバレンタイン・デーだ。この祝日が生まれた歴史を簡単におさらいしてみると、ローマ帝国時代に、時の皇帝が兵士たちの戦気をそがないようにと結婚を禁止した際、禁止令を無視して兵士たちを結婚させていたバレンタイン司祭が処刑されたのが2月14日だったことにちなむ。今では、この日を「愛を告白する日」として祝っているというわけだ。
今号ではそのバレンタイン・デーに楽しみたいワインを紹介しよう。
まずは、発泡性ワインから。フランス語で「愛」を意味するアムールという言葉がワイン名につくシャンパーニュ・ブリュット・アムール・ドゥ・ドゥーツChampagne Brut Amour de Deutz。ドイツ人のドゥーツは1838年、上質シャンパーニュ発祥の地として知られるアイAÿ村(「愛」と偶然にも音が近い)でシャンパーニュ業を始めた。今ではワールド・クラスの上質シャンパーニュとして有名だ。例えばChampagne Brut Amour de Deutz 2010は、白ブドウ品種のシャルドネだけから造られたブラン・ド・ブランBlanc de Blancs(白ブドウから造られた白という意味)で、普通サイズ(75cl)では値が張るが(www.vintagewinemerchants.co.ukにて145ポンド)、ハーフサイズ(37.50cl)のものがある(同サイトにて48.74ポンド)。ハーフサイズが非常にお得なので、アペリティフとして特別な夜を祝ってみるのも一案だ。
「愛の物語」と名付けられた白ワイン

南仏プロヴァンス産のロゼ
ロゼ・ワインとして取り上げたいのは、同じくラベルに「Love」と描かれた、プロヴァンス産のラブ・バイ・レウブ・オーガニック・ロゼLove by Léoube Organic Rose, Château Léoube(www.suburbanbottlestore.comにて17.90ポンド、www.greatwine.co.ukにてセールで16.62ポンド)。有機栽培の黒ブドウ品種のグルナッシュGrenacheとサンソーCinsautを50%ずつ使って造られた辛口ワイン。ロゼとしてはしっかりと造られているので肉料理に加え、さすがブイヤベースの本場産ということもあって、魚、甲殻類ともよく合う。また、日本料理とも合いやすい1本だ。
ロマンチックな名称の赤ワイン

最後に赤ワインのお薦めを取り上げたい。値が張ってもよい場合には、ワイン名が大きなハートの中に書かれ、ボルドー産第3級格付けを冠すシャトー・カロン・セギュールChateau Calon Ségur 2012(Lea and Sandeman www.leaandsandeman.co.ukで120ポンド)、そしてそのセカンド・ラベル・ワインのマルキ・ドゥ・カロン・セギュールMarquis de Calon Ségur 2018, St Estèphe (同サイトで45.75ポンド)=写真右=はいかがだろう。カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、プティ・ヴェルド種から造られるボルドーの銘酒、辛口赤ワインだ。ローストあるいはグリルしたビーフやラムと合わせたり、チーズと合わせたい。

他には、フランス、ボージョレ産のサン・タモーレSaint Amour(「愛の聖人」という意味)、スペイン、リオハ産のアイ・ハート・リオハI Heart Rioja 2016=写真左、イタリア、トスカーナ産のアモーレ・エ・フォッリアAmore e Follia, IGT Toscana 2019などもバレンタイン・デーにはピッタリのロマンチックな名を持つ上質赤ワインだ。赤い肉料理と合わせたい。
1年に1度だけの愛を告白する祝日。ロマンチックな名称のワインを傾けて、素敵なひと時をどうぞ。
週刊ジャーニー No.1277(2023年2月9日)掲載











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