ワインにまつわる今月のトピック㉚ 番外編 バレンタイン・デーに飲みたい1本

殉教者、バレンタイン司祭

2月は、14日にバレンタイン・デーがある月として、また、立春を迎えてもうすぐやってくる春の気配を感じる時期として、なにやら心躍る月。このバレンタイン・デーだが、由来を改めてみてみよう。3世紀、ローマ帝国時代のこと。戦気が弱まらないようにと兵士たちの結婚を禁止した皇帝クラウディウス2世に反して、兵士たちを結婚させていたバレンタイン司祭が処刑された。後世になり、彼の処刑された2月14日を、「愛を告白する日」として祝うようになったというわけだ。

「愛の告白」にふさわしい スパークリング・ワイン

祝日に適したワインといえば、スパークリング・ワインだろう。そして「愛の告白」に適した色といえば、バラ色。ということで、今回は、バレンタイン・デーに飲みたいロゼのスパークリング・ワインのうち、幾つかをご紹介したい。

まず、ランソン・ブリュット・ロゼ・シャンパーニュLanson Brut Rosé Champagne(Waitroseにて32ポンドで購入可)。何と言っても色がかわいらしい。口あたりがやさしく、赤い果実香味が口の中に一杯に広がる華やかなシャンパーニュだ。次に、シャンパーニュ・ガリマール・ロゼChampagne Gallimard Rosé NV(The Good Wine Shopにて33ポンド、Stroud Wine Companyにて34.95ポンド)=写真右。ランソンのロゼは、シャルドネ(白ブドウ品種)から造った白ワインに、ほんの少々ピノ・ノワール(黒ブドウ品種)から造った赤ワインを混ぜて造られるが、ガリマールの場合は、赤ワインを造る工程で色を抽出する期間を短くして造った薄めの色の赤ワインに、シャルドネ種から造る白ワインを20%ほど加えている。従って、ガリマールのロゼの方が、チェリーやイチゴといった赤いベリー類の風味を鮮明に呈す。

一方、2年ほど前から造られ始めたロゼのプロセッコ(イタリア産スパークリング・ワイン)のうち、お試しいただきたいのがラ・ジョイヨーザ・プロセッコ・ロゼ・ミッレジマート・ブリュットLa Gioiosa Prosecco Rosé Millesimato Brut(Waitroseにて通常10.99ポンドだが、今なら8.99ポンド)と、プロセッコ・ロゼProsecco Rosé(Marks and Spencerにて10ポンド、今なら6本で48ポンド)。どちらもジューシーで、イチゴやラズベリーの香りを呈すモダンなスタイルのスパークリング・ワインだ。

そして、南アフリカ産のグレアム・ベック・ロゼGraham Beck Rosé(Majestic Wineで16.99ポンド、ミックスで6本以上買うと1本当たり14.99ポンド)。既述のどのプロセッコよりも飲みごたえがある。クリーミーな泡、滑らかな口当たりをそなえ、かつジューシーで、豊潤な赤いベリー類の風味が鮮やかだ。

ボトルのラベルや名称で 愛を伝えるワイン

スパークリング・ワインではないが、愛を伝えるワインとして人気の高いワインにボルドー産の赤ワインと、ブルゴーニュ産のボージョレがある。ボルドー産のワインとは、シャトー・カロン・セギュールChâteau Calon Ségur。このシャトーには第3級の格付けを持つワインと、その兄弟分(セカンド・ラベル)のワインがあるが、どちらのラベルもハート型のデザイン。格付けを持つワインのほうでお薦めしたいのはシャトー・カロン・セギュールChâteau Calon Ségur 2011(Waitroseにて70ポンド)=写真右、セカンド・ラベルのほうはサン・テステフ・ド・カロン・セギュールSaint Estèphe de Calon Ségur 2015(Berry Brothersにて20.95ポンド)=写真下。

さて、最後に挙げたいのはブルゴーニュ産のボージョレ、ドメーヌ・デ・ビヤール、サン・タムールDomaine des Billards Saint-Amour 2019(The Sunday Times Wine Clubにて15.99ポンド)だ。ボージョレは、ヌーボ、ヴィラージュ、クリュとその品質が分類されているが、このワインは最も高品質のクリュに属す。「Saint-Amour」を直訳すると「聖なる愛」。なんともバレンタイン・デーにふさわしい名前のワインだ。では皆様、ロマンチックな夜を―。

週刊ジャーニー No.1226(2022年2月10日)掲載

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。Ordre des Coteaux de Champagne団員。国際日本酒利き酒師。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
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