大理石の柱とアールデコ調のゴージャスなインテリアはその空間にいる者を圧倒するような雰囲気がある。
まずはこの予算でこの空間にいられる不思議を楽しみたい。

ピカデリーサーカスから徒歩1分。かつてここにリージェント・パレスホテルがあった。同ホテルは2006年にほぼ解体され近代化されたが地下空間は広すぎて長い間、借り手がつかなかった。2012年、レストラン界の重鎮コンビがここに往年のパリのブラッセリーを再現させた。それがこのゼデルだ。初めて訪れた人は店内に足を踏み入れた瞬間、ハッと息を呑む。260席もある巨大なアールデコの空間はまさに1920年代のパリ。どこかにアガサ・クリスティが座っているかのようだ。本当にいたらホラーだけど。メニューも時代を間違えたんじゃないかと思うくらいクラシック。今どきの軽やかで心躍るようなものとは無縁。1世紀前のパリジャンってこんな雰囲気の中でこんなもん食べていたのね、が体験できる。驚くのがその値段。プリ・フィックス(定食)なら2コースで£10.95、3コースでも£14.25。その安さ、もはや異常。ワインも手ごろな価格設定なのでチワワのようにプルプル震える必要なし。今回は私がアラカルトから2コース、そして相棒がプリフィックス3コースをオーダー。どれもオーソドックスで興奮しないけど、その分料理のクオリティは高い。日本からの訪客を連れていけばきっと感謝される。ロンドンにいるんだかパリにいるんだか分かんなくなっちゃうけどね。テーブル回転率が安さの秘訣らしく、料理のサーブが早いのは玉にきず。要予約ながらウォークイン用の席も多数。大切な人を連れて行きたくなる店。お試しあれ。 (たべ 太蔵)

写真左=プリ・フィックス定食の前菜、ニンジンのすりおろし。一見地味だけど絶妙なドレッシングが一級品に仕立てている。 
写真中央=アラカルトからシュークルート・ゼデル。ザワークラウトとハム5種盛り合わせ。塩使いの魔術師。£17.50 
写真右=定食のメイン、粗切りビーフのステーキ Steak Hache。ハンバーグだがソースが濃厚(過ぎ)。
写真左=定食のデザート、ショコラ・ノア。トラッドで濃厚な昔風のデザートだけどしっとりして美味しい。
写真右=前菜のロブスター・ビスク。風味も塩加減もパーフェクト。

総合評価

 

食事

 

サービス

 

雰囲気

 

お値段(1人分・ドリンク抜き)

20~35

ZÉDEL

20 Sherwood Street
London
W1F 7ED
020 7734 4888
https://www.brasseriezedel.com/

Opening hours

Mon-Sat 11:30-24:00
Sun 11:30-23:00

週刊ジャーニー No.1123(2020年2月6日)掲載