1837~1901年の63年間にわたって国を治め、英国を「太陽の沈まぬ国」と呼ばれる最強国家に導いたヴィクトリア女王。国の繁栄の一方、夫であるアルバート公との間に9人の子どもを設けるなど、円満な夫婦関係は国民の理想とされたのだそう。ヴィクトリア女王が純白のウェディング・ドレスを着用したことで、一般の間では結婚式で白いウェディング・ドレスを着ることが定番となったり、女王の影響でクリスマス・ツリーを飾るという習慣が英国に浸透したりと、後世にも多大な影響を残したヴィクトリア女王。そんな女王がどんな生涯を送ったのか。映画やテレビドラマでたどってみよう!
テレビシリーズ
「Victoria」(女王ヴィクトリア 愛に生きる)
英ITV放送で2016年にシリーズ1(全8話)が放送されたテレビシリーズ。18歳で即位したヴィクトリア女王(ジェナ・コールマン)の愛と葛藤の日々を描いた歴史ドラマ。ヴィクトリア女王は突然の即位に戸惑いながらも、自らの役目を全うしようと振る舞うが、なかなか認められず孤独な思いを深めていく…。英国ではシリーズ3までが放送されている(2019年5月現在)。豪華絢爛な衣装やセットも見どころのひとつ!
(出演:ジェナ・コールマン、トム・ヒューズ )
映画
「Victoria & Abdul」(ヴィクトリア女王 最期の秘密)
ヴィクトリア女王と若きインド人青年の身分を超えた友情秘話。ヴィクトリア女王(ジュディ・デンチ)即位50周年記念コインを献上するため、若き事務員のアブドゥル(アリ・ファザル)がインドから英国に派遣される。インドに強い興味を示す女王の命により、女王にヒンドゥー語やインド文化を教える教師として、アブドゥルはそのまま英国に滞在することになる。率直で短気であったという女王が実直なアブドゥルに徐々に心を開き、時に女王としての苦悩を吐露するほど、主従関係を超えた友愛感情が芽生えていく…。実際に女王が愛した、ワイト島にある離宮「オズボーン・ハウス」が撮影で使われている。
(英・米/2017/111分/監督:スティーヴン・フリアーズ、出演:ジュディ・デンチ、アリ・ファザル)
映画
「The Young Victoria」(ヴィクトリア女王 世紀の愛)
「ダウントン・アビー」のジュリアン・フェロウズが脚本を担当した、若き日のヴィクトリア女王を描いた愛と真実の物語。ケンジントン宮殿で抑圧された日々を送っていた若きヴィクトリア(エミリー・ブラント)は弱冠18歳で即位する。まもなくアルバート公(ルパート・フレンド)と恋に落ちて結婚したものの、さまざまな問題が発生する。困難をひとつずつ乗り越え、絆を深めていくふたりの愛を描く。おじのウィリアム4世をジム・ブロードベントが演じるなど、脇を実力派俳優が固めている。
(英米/2009/102分/監督:ジャン=マルク・ヴァレ、出演:エミリー・ブラント、ルパート・フレンド)
映画
「Mrs. Brown」(Queen Victoria 至上の恋)
最愛の夫アルバート公に先立たれた女王の、秘められた恋を描いたラヴ・ロマンス。アルバート公亡き後、悲しみのあまり「引きこもり」のような生活を続けるヴィクトリア女王(ジュディ・デンチ)。アルバート公に仕えた馬係、ジョン・ブラウン(ビリー・コノリー)がスコットランドから呼び寄せられると、やがてブラウンを寵愛するようになり、「ブラウン夫人」と陰口をたたかれるようになってしまうが…。身分を越えて、互いを思いやるふたりの姿をつづる。
(英/1997/106分/監督:ジョン・マッデン、出演:ジュディ・デンチ、ビリー・コノリー)