Q191パンケーキ・デーに、なぜレースが行われるの?
Aふむ。イエス・キリストの復活祭「イースター」に関連する、キリスト教の伝統的習慣のひとつがパンケーキ・デーじゃな。断食を開始する前日は、過去1年の己の行いを見つめ直して悔い改め、犯した罪を告白するのが習わしじゃが、それと同時に、翌日からの断食期間に備えて、卵や乳製品などの「傷む食材」を使い切ろうとパンケーキを焼く家が多かったことから、別名「パンケーキ・デー」と呼ばれるようになった…ことは、3年ほど前に話したぞ。覚えておるよな?
さて、そのパンケーキ・デーに、なにゆえ英国各地でパンケーキ・レースが開かれるのか?
起源は古く、なんと15世紀じゃ。バッキンガムシャーのオルニーなる町に住む主婦が、パンケーキを焼くのに夢中になり、教会の告解時間に遅れそうになってしもうた。慌てて家を飛び出したところ、パンケーキを乗せたフライパンをうっかり手に持ったまま、教会へ駆け込んでしまったそうじゃ。多くの町人にその姿が目撃され、町の名物としてパンケーキ・レースが行われるようになったとか。それが広まったんじゃな。
今年のパンケーキ・デーは2月13日じゃ。覚えておかんと、首はねちゃうぞ。
週刊ジャーニー No.1327(2024年2月1日)掲載
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