Q186クリスマス・ツリーの豆電球、なぜ「フェアリー・ライト」と呼ぶの?
Aふむ。クリスマス・ツリーや家の窓に飾られる小さな豆電球、英国では「フェアリー・ライト」と呼ばれておるのぅ。無数の小さな光がピカピカ点滅する様子は、確かにフェアリー(妖精)が集まっているようにも見え、何やら英国らしい名称じゃな。いつからそう呼びはじめたのじゃろうか?
豆電球が英国に広まったのは、1882年のことじゃ。前年の1881年にサヴォイ劇場がオープン。英国人物理学者ジョゼフ・スワンが発明した「白熱電球」を使用した、世界初の電気照明だけの劇場じゃな。劇場のオーナーは人々の注目を集めようと、翌年のクリスマス公演に妖精と人間の恋愛オペラ「イオランテ」を選択。そしてなんと、妖精たちが身に着けておるドレスや魔法の杖に大量の豆電球をしこんだのじゃよ。暗闇に浮かぶドレスの無数の輝きに、観客は度肝を抜かれ大興奮。公演は満員御礼、大成功を収めたというわけじゃ。これ以降、このような豆電球のことを英国では「フェアリー・ライト」と呼ぶようになったのじゃよ。
ちゃーんと理解したか? 覚えておかんと、首はねちゃうぞ!
週刊ジャーニー No.1321(2023年12月14日)掲載
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