Q185クリスマス・クラッカーに、なぜ王冠が入ってるの?
Aふむ。英国のクリスマス・テーブルに欠かせないのが、筒型の巨大キャンディのような形をしたクリスマス・クラッカーじゃな。中身はちょっとしたギフトと格言が書かれた紙、薄紙でつくられた王冠などじゃが、何ゆえこの王冠をかぶってクリスマス・ディナーを楽しむのじゃ?
現在のようなクリスマス・クラッカーが誕生したのは、1850年代じゃ。トム・スミスなる菓子職人が考案したのじゃが、当初は王冠は入っておらんかった。これを入れたのは、家業を継いだトムの息子じゃな。
古代ローマ時代、12月17日~23日には農耕神サートゥルヌスに感謝を捧げる祝賀行事が開かれておった。身分の上下関係なく無礼講が許された祝宴で(建前じゃがな)、奴隷解放のシンボルであるフェルト製の帽子をかぶり、飲み食いして騒いだそうじゃ。クリスマス・クラッカーが定着した頃、その祝宴を真似て帽子をかぶって騒ぐのが流行したため、トムの息子はクラッカーに紙製の帽子を入れることを思いついたのじゃよ。いつからか、それが王冠になったというわけじゃ。
ちゃーんと理解したか? 覚えておかんと、磔の刑にしちゃうぞ!
週刊ジャーニー No.1320(2023年12月7日)掲載
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