Q175トレンチコートは軍服だったって本当?
Aふむ、その通りじゃ! トレンチコート(trench coat)は第1次世界大戦中に英軍兵のために制作された、防水の軍用コートが起源じゃ。
トレンチ(trench)とは塹壕(ざんごう:敵の銃砲撃から身を守るために掘られた穴や溝)という意味で、ヨーロッパでの戦闘では寒冷な時期も塹壕で身を潜めなければならなかったゆえ、耐水性や防寒を考えて、前合わせはダブル、袖口や腰にはベルトがつけられたのじゃ。ボタン留めの肩章は、帽子や手袋を挟んだり、首から下げた水筒や双眼鏡のストラップを通して肩から滑り落ちるのを防いだりするのに使われたのじゃよ。また、腰のベルト部分についている「D」型の金具は、手榴弾をぶら下げるためのものじゃな。そして、右胸(肩)に縫いつけられた布は、襟を閉じて首元までボタン留めした際に、隙間から雨だれが侵入しないようになっておるのじゃ。
ちゃーんと理解したか? 覚えておかんと、首はねちゃうぞー!
週刊ジャーニー No.1310(2023年9月28日)掲載
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