
■ 第167話 ■ChatGPTはもう古い⁉
▶先週号で筆者がChatGPTの有料版、バージョン4.0を使い始めたことを自慢した。どや! と胸張っている間にもグラフィックの世界はとんでもない進化を続けていた。ChatGPT-4と連動した画像生成プログラムもどんどん進化している。「こんな感じの絵を描いて」とリクエストするだけでこの世に存在しない、写真のような画像を描き上げたり、1枚の人物写真がペラペラしゃべり出したりと近未来の出来事だと思っていた事柄が今、目の前で起こっている。著作権とかどうなるんだ? と懸念していた矢先の4月27日、日本のイラストレーターたちは画像生成人工知能が著作権を侵害しているとして政府に法規制するよう訴えを起こした。著作権以外にもポルノ画像やフェイク動画生成などに悪用される弊害も既に出ている。人工知能が凄すぎて「諸刃の剣」の裏刃もキレキレ過ぎて危険がいっぱいらしい。
▶サブスクしてから1週間で「ChatGPTはもう古い」という文言が目に入った。んなアホな。ChatGPTが公開されたのは昨年11月。世の中が騒ぎ出したのはこの数ヵ月のこと。それがもう古いってどゆこと? ChatGPTを開発したOpenAI社に多額の投資をしているマイクロソフトは自社の検索エンジンにChatGPT-4を組み込んだ最新版「BING」を発表した。ググる時代が終わるかもしれないと言われている。グーグルも黙っちゃいない。満を持してBARD(吟遊詩人)という対話型AIをリリース。先週ChatGPT-4の有料サブスク始めたばかりなのに、翌週には似たようなのが2つも登場していた。展開、マンガより早くない?

▶この程度で呆然としていた筆者は間が抜けていた。2つなんてもんじゃなかった。アマゾンやフェイスブック(メタ)も現在、対話型AIを作っているという話もあるし、HuggingChatというソース(プログラム言語)を一般公開した無料の対話型AIが既に使われ始めている。更にはAutoGPTなる、もはやプロンプト(指示)さえ必要のない自動生成AIも稼働を始めた。何なの? この雨後のタケノコ現象。まるでコロンブスがゆでたまごをポンと立てたら「オラもオラも」とみんな一斉にゆでたまごをテーブル上に立て始めたかのようで筆者の知ったかぶりも追いつけない。前述のようにAIは諸刃の剣だ。AIに取って代わられる職種が沢山出てくることは間違いない。物書きもそのうちの一つらしい。ひいぃぃ。AIの世界は加速度的に進化している。そりゃそうだ。超賢いAIが一日24時間、飯も食わず屁もこかず文句も言わず四六時中働き続けているんだもの。もはや人智超越は時間の問題。
▶さて、筆者はなぜヘンリー・フォード著の「国際ユダヤ人」から人工知能に寄り道したのか。ChatGPTを開発したOpenAI社の創設者サム・アルトマン氏(38)はユダヤ人だ。ChatGPTの登場に最も慌てていると言われるグーグル。創設者ラリー・ペイジ氏(50)やセルゲイ・ブリン氏(49)もユダヤ人。フェイスブックのザッカーバーグ氏もそうだ。ユダヤ人同士による勢力争いとも言われている。ユダヤ人は世界人口のわずか0.2%。東京都の人口程度だ。しかしその存在感と影響力は0.2%というレベルではない。筆者は歴史が動く節目に現れて深い爪痕を残して来た、驚異的に知的水準の高い一部ユダヤ人に興味を抱き、その足跡を追い続けている。振り返れば読者離れ、独りぼっち。切なさにひと泣きしたところで次号に続くぜ。チャンネルはそのままだ。