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■ 第166話 ■ChatGPT、やってみた

▶今年に入ってから突然降って湧いてきたChatGPTという言葉。賛否は別として新聞やネットでこの文字を見ない日はない。で、何これ? ChatGPTはアメリカの新興企業OpenAI社が開発したチャットボットだ。チャットボットって何? 「チャット」はおしゃべり。「ボット」はロボットの略。要は人工知能(AI)を活用した自動会話プログラムのことだ。で、何それ? えっと、これまで主流だったグーグル検索のように細切れの検索ワードを入れる代わりに文章での質問に対して人工知能がまるで人間のように自然な文章で回答してくれる。GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の頭文字。無理やり訳せば「生成的・事前学習・変成器」って感じだけど日本語にすると余計分かりづらくなるミステリー。質問に何でも美しい文章で回答してくれるというのでやってみた。「ロンドンで発行されている日本語週刊誌ジャーニーについて教えて」。これが筆者のGPTデビューだ。1~2秒待つと短い返事があった。「存在しません」。

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▶35年も続けてきた「ジャーニー」を「存在しません」って、どういうこと? 「責任者出て来い」と叫んで泣いた。YouTubeを覗くとお笑い芸人などが自分たちのコンビ名を入れて「どんな芸人?」と質問。返って来るトンチンカンな回答に当の芸人たちが笑ったり困惑したりしている動画が大量にアップされている。この段階で「なんだ、スゴイスゴイと聞いていたけど、まだまだじゃないか」と興味を失った人も多いはずだ。しかしIT識者たちは口を揃えて言う。今、無料で使えているバージョン3.5は例えて言うなら「知ったかぶりの小学生レベル」で、最近更新された有料のバージョン4.0は「知ったかぶりの大学生レベル」にまで向上している、と。「知ったかぶりの大学生」もロクなもんじゃないが、ちょっと気になってバージョン4.0に挑んでみた。契約料は月額24米ドル(税込み)。スカイ放送もネットフリックスも我慢してきたのに「知ったかぶりの大学生」に24ドルは清水の舞台ぴょんだったが、思い切ってバンジーしてみた。

ChatGPTのロゴですが、何か?

▶再び「ロンドンで発行されている日本語週刊誌ジャーニーについて教えて」と質問するとまあこの大学生、驚くほど饒舌にジャーニーのことを知ったかぶりする。饒舌すぎて大手書店で売っているだの東南アジアや日本語学習中の人にも人気だの、嬉しい嘘ニュースまで出して来てこっちはすっかりご機嫌だ。そこで「いくつか間違いがあるぞ」と指摘すると「すみません。残念ながら2021年9月までの知識しか持っていませんので2023年現在の情報は提供できません」と人間並みの言い訳をしながらも、その後はかなり正確な情報を出して来た。「もっと詳しく」と突っ込むとさらに詳細を出してくる。さすが「知ったかぶり大学生」。飲み込みもネタの仕込みも早い。

欧州ヤマト運輸
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▶グーグルは検索ワードに該当する情報を羅列し、こちらがどれを読むか決める仕組みだが、GPTはネットの中にある無数のデータから情報を取り込んで一つの文章を生成する。なのでGPTが引用した元ネタがインチキだったり偏っていたらそれまでだ。しかし書籍やネットなど、世に出回っている情報を取り込み、それらをまとめて知ったかぶりしている筆者や他の一部メディアと何が違うのかと問われれば「似たようなもんでごんス」と答えざるを得ない。紙面が尽きた。次号でもう少しGPTに迫る。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1288(2023年4月27日)掲載

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