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■ 第101話 ■地球人よ、上と前を向いて歩こう

▼新しい年が明けた。今年はロンドンでも初日の出を拝むことができた。真っ赤に燃える太陽はいいね。さて、新年早々嘘ぶっこいた。太陽は燃えていない。この事実を知ったのは恥ずかしながらそう昔のことではない。恐らく多くの人が太陽は燃えていないことを知っている。この先は知らない人だけ読み進もう。筆者が太陽の本当の姿を知ったのはある日「太陽って一体いつまで燃え続けられるんだろう」と心配したのがきっかけだ。物質が燃えるには酸素が必要だ。数十億年燃え続けて来た太陽だが、一体あとどれくらい酸素が残っているのだろう。ある日突然、ろうそくの炎が消えるようにフッと燃え尽きたらどうしよう。そう思ったら怖くて眠れなくなった。恐怖にチビリながら調べてみた。そして太陽が燃えていないことを知った。どーゆーこと?

▼太陽には大量の水素がある。水素原子4つが結合し1個のヘリウムになる。ヘリウム1個は水素原子4個よりも質量が軽い。この失われた質量の差が熱エネルギーとして放出される。これを核融合反応と言う。一度に大量の水素原子がヘリウムになるため、放出される熱エネルギーも莫大で爆発的なエネルギーが放出される。つまり太陽とは宇宙に浮かぶむき出しの「天然核融合炉」ということになる。ちなみに原子力発電はこの逆の核分裂反応によって放出される熱エネルギーを利用している。

太陽
燃えていませんが、何か?

▼そんじゃあ地球は太陽の核融合で放出された莫大な熱エネルギーが届くお陰で温められてんだね?これも違った。太陽は地球から1億5千万キロも離れたところにある。光の速さでも8.19秒かかるほど遠い。そんな遠くで発生した熱が延々宇宙空間をドンブラコと伝わってきて地球に届いているとしたらむしろコワくない? さらに宇宙は基本、真空なので熱伝導は不可能。事実、宇宙空間の温度は一般にマイナス273℃程度と言われ、ウルトラ極寒だ。つまり太陽が発した熱は地球に全く届いていないことになる。そんじゃ地球の表面はなぜ太陽が出てくると温まるの? それは核融合の際に太陽から放射される大量の赤外線や紫外線、可視光線などの電磁波が太陽光という形で地球上に降り注いでいるからだ。電子レンジはマイクロ波が食品内の分子を揺らし、摩擦熱を起こすことで温められる仕組み。それとほぼ同じ理屈で太陽が放射した電磁波が地球表面上にある物質、とくに水分を振動させることで熱を発生させている。従って我々が太陽の下で温かく感じるのは太陽が放出した電磁波によって地球上の色んな物質が温められているためだ。電磁波で温められた物質が、今度は熱伝導で大気をも温める。冬に気温が下がるのは日照時間が短くなることで太陽から届く電磁波が減るためだ。電子レンジで言うなら「弱」状態だ。地球上のほとんどの生物は太陽なしには生きられない。しかし赤外線や紫外線が電磁波であり、仕組みが電子レンジに似ている以上、生物に悪さもする。日焼けとは軽度の火傷であり、紫外線を浴び続ければ皮膚がん発症の危険性もある。

▼太陽は寿命の半分程度を経過していると言われる。46億年くらい前に出来たらしいから今後も同じくらい地球を照らし、温め続けてくれるはずだ。ひどい巣ごもりの2年間が過ぎたが、春にはきっとコロナも収束に向かうと信じる。地球人は2年間、よく堪えた。太陽は今日も元気に核融合を続けている。今年こそ上と前を向いて歩くぜ‼と力んだところで次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1221(2022年1月6日)掲載

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